2021/2/21
空の感覚
完全に春の気候、こんな日にはお散歩しなければバチが当たるというもの。薄着に手ぶら、パーカーのポケットに手を入れて、ウキウキで川べりを徘徊しておりました。
この川べりには、鳥が沢山います。いや、どの川べりにもいると思うのだけれど、鳥が沢山いるのです。良いよね鳥、かわいい。
鳥が飛ぶ姿を見るたび、重力の敗北を感じます。ふわりふわりと自由自在に、あんな小さな翼で飛んで、現世のY軸を超越していく。
私が川の向こうに渡るには、迂回して橋を越えなきゃいけないが、彼等はちょっと、駆け足をするくらいの感覚で飛んでいく。
どんなんなんだろうな。身を浮かせて、風を通り抜けて、視界が広がるその感覚。猛々しいビルの屋上にも、吊られた電線の上にも、舞うように存在できるその様。時々羨ましくなります。私の空と、彼らの空は、別物なんだろうな。
私は一生、地べたを這いずる人間です。2本の足で、重力の仰せのままに、死ぬまで暮らしていくのでしょう。「生まれ変わるなら鳥に」なんて思いませんが、隣の芝ならぬ、上空の空は、やはり青々と広がっているのです。