ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

子供心の秋の空

 

 

 

 

2020/9/18

 

子供心の秋の空

 

夕方、とあるお店でほうじ茶とバラードしていると、隣の机で子供がふたり、キャッキャしていて、窓の外のこの風景を見て一言。

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「お外はまだ朝なんだね」

ほぅ、と私は息を漏らしてしまった。

日も暮れた、どんよりとした曇りのこのそらを、朝、ときたか。言われてみれば、確かに、日が昇る前の朝に似ている。きっとあの子は早起きなのだろう。私のような、8時を早朝と言うような人間にならない事を祈る。

私はこの空を見て、帰り道雨が降らなきゃいいな、としか思わなかった。この店までは自転車で15分程度、遠くはないが、雨が降ればダルい。私にとって、これはそういう空だ。

それを「朝みたいな空」というだけで、暗くなっていく空が、少しだけ明るくなったようにも思えた。イメージは世界を変える。あの子の眼には、この空が私よりもう少し明るく見えていただろう。

センスオブワンダー、凄いね、本当。

表現をする者として、普通の人よりはそういう感覚は鋭い自負はある。しかしそれでも、知識と偏見に汚れた私の眼では、彼等の景色は見えそうにない。