ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

モニュメントモーメント

 

 

 

 

2021/2/24

 

モニュメントモーメント

 

暖かい冬というよりは、少し冷える春みたいな天気の日。本屋にて、漫画本を買う。

4冊で2800円、高くなったもんだぜ。それでも、作家さんへの応援の気持ちを込めて、財布から野口を減らす。

言っても数ヶ月に1冊700円くらいで、それですら私の脳内の経済を司る部位がピリリと痛む。実に甲斐性のない話よ。

古本とか私はめちゃくちゃ買うんですが、できればきちんと定価で買って、作家さんにお金を入れたい気持ちはある。しかしながら、それでは生活が追いつかぬ。作家さんも「買わない」と「古本で買う」なら後者だろうと思うので、すみません、と呟きながら古本をつまんでいる。

あと、単純に古本は好き。特に少し昔の本を買うには古本がベスト。「これが見知らぬ誰かの本棚にあった」という事実は、えもしれないロマンがあると思う。前の持ち主に想像を巡らす。

 

閑話休題。それでもやはり、気になるものにはお金を出さなければならぬ。楽しそう、と思ったものには、多少無理しても、多少面倒でもお金を払って鑑賞すべきだと思っている。

性食眠やテレビジョン、掲示板の有象無象、誰かの画像や140文字、とても楽しいけれども、経験上、無料のモノで魂が震える事はそうそうない。高いからといって必ず良いわけではないけれど、良いモノは必ず対価を要求している。

そして良いモノは、時に自分の中で、作品ではなく存在として屹立し、人生の景観さえ変えてしまうこともある。経験あるでしょう?私もあります。沢山あります。「忘れられない瞬間」っていうのが、それですよ。

別にそれが、生きるために役立つとか、お金になるとか、精神的支えになるとか、そんなんじゃなくてもいいんです。ただ自分の街にそれが建っているだけで、それが視界に入った時に少しだけ頬が緩む。そういうものこそ大事だと思うのですよ、私は。

新たなるモニュメントを求めて、私はまだまだ財布を細めます。暖かくなってきたのでね、少しくらい懐が寒くても、へっちゃらなのですよ。

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