ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

憧れに焦がれる

 

 

 

 

2021/3/7

 

憧れに焦がれる

 

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猫は尊い。飼い猫も可愛いが、野良猫は野良猫でよい。

飼い猫はとにかく可愛いらしい。本当かどうかは知らないが、生まれた時から飼い猫だと、野生で生きる能力が必要ないために、可愛い顔に育つらしい。愛の溢れる屋内をウロウロしながら、じゃれるもじゃれないも機嫌次第、自由きままに生きる。そんな飼い猫は実に尊い

しかし、野良猫は野良猫でよい。顔は飼い猫の方が可愛いが、野性味の中に確かな愛らしさがある。明日の保証は何もないが、飼い猫よりも自由気ままに、ただ生きている。

そう、奴等はただ生きている。生きたいように生きている。その結果、もちろん長くは生きられないかもしれないが、それについて奴等には、大した不満はないんじゃないか、と思ってしまう。

奴等の生は自然と共にあり、身の回り1センチと全世界が同一のものであり、その果ての死とすら接している。それゆえに奴等は格好良く、美しいのだと思う。

安全と補償と保険で何重にも包まれた我々は、その感覚には到底、至れない。しかし奴等の格好良さや美しさは、私が永遠に憧れるものである。

あと、私は奴等ほど可愛くもなれない。それも私が永遠に憧れるものである。あーあ。