ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

往年芸術学概論

 

 

 

2021/5/28

 

往年芸術学概論

 

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「華麗なるギャッツビー」。拝聴しました。

映画自体は2013年のもので今更感は溢れますが、そもそも原作は1925年のモノなので、その存在自体が今更です。まぁそれでも、見た事ない人が結構いるのではないでしょうか。まぁ、見ませんよな。私も正直そんなに惹かれてはなかったです。日本で禁酒法が施行されなけりゃ多分見てません。

 

ラブストーリーなんですが、ストーリーはミステリー仕立てできちんとテーマもあり、当時の社会情勢も相まっていて見応えがありました。流石は往年の名作です。

「往年の名作」って、見るタイミングが微妙に難しいですよな。やっぱ往年なので、あらすじを見ても絶妙に惹かれない事が多い気がします。そもそもエンタメ感が薄かったり、当時の時代性を理解しとかないとわからない事があったりもします。私もいくつもの名作を眠気と一緒に観てきました。

「良いものは時代を超える」っていうのはごもっともなんですが、これを言ってる人も多分昔の人なのでね。昭和の暮らしを知らない我々が、昭和の人間に感情を移入させるには、かなりの量の柔軟と寛容を同時に流し込まねばならんのです。いくら作品のテーマが不変であろうと、異世界にすぐに馴染む事はできんです。そうやって馴染めないうちに集中力は削がれ、意識は朦朧とし、現代に生きるのに忙しい我々は、脳を休める方向で決断を下すのです。

 

とはいえ、やはり名作は名作です。時の洗礼を受けて残り、未だ人の心を動かすものには、やはり像のように屹立した価値があります。それなりの無理をしてでも、履修しておくべきだと思います。もはや娯楽というより勉強に近いですが、勉強はするもんです。