ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

ロックンロールストック

 

 

 

 

2021/7/2

 

ロックンロールストック

 

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ロックストックアンドトゥースモーキングバレルズ、再見。最高です。こんなに格好いい映画はそうそうない。

豪快なのに綿密で丁寧で、最高にエンタメしている108分。2時間切ってるのが個人的にポイント高いです。面白さの度合いが同じなら、時間は短ければ短いほどエンタメとして優れていると私は思っております。漫画で言えば10巻前後とか、曲にしたって3分くらいが一番好き。

地味にあのジェイソンステイサムのデビュー作品であります。B級アクション界のトップスターになる前の彼の姿は貴重です。彼が冒頭に露店でイカサマ品を売り捌く場面があるのですが、アレが最高なんですよね。「これはとある名工が造ったものをとあるコソ泥が盗み出した逸品だ」とか「空箱じゃないぜ、俺は葬儀屋じゃないからな、棺桶を売ったりしない。だから死人みたいなツラで見てるんじゃない」とか「奥さんにプレゼントするのもいいが、別の奥さんにプレゼントするのも楽しいぞ」とか、演説かますように盗品を売り捌くシーン。あれくらい口と頭を回せるようになりたいもんです。

そこから、いくつもの犯罪組織が絡み、絡まり、各々がど真面目に間抜けを晒していく、邦画で言えば三谷幸喜みたいなコメディが展開します。どのシーンも間抜けなのに、出てくる奴等はどいつもこいつも格好良い。「"ハチェット"ハリー」とか、「バリー・ザ・バプティスト(洗礼人)」とか、ネーミングだけで中二病が悶えて死にます。私も4回くらい死にました。

伏線と構成の妙が冴える、キレのある作品です。23年前の映画だけれど、多分今後も私のような面倒臭いエンタメ野郎に絡まれる作品だと思います。言うて犯罪映画なのでそういう汚さはありまして、万人にオススメできる映画ではないのですが、変に露悪的な部分はないのでそれなりに爽やかではあります。よほど苦手でなければオススメです。妙に尺を取るような拷問シーンもないしね。タランティーノお前のことやぞ。

 

改めて、作品が残るのって、凄いことですよな。何十年前、下手したら何百年前みたいな作品が、現代まで残って人を感動させている事実。作品なんて今まで星の数の5倍くらいは生まれてきたと思うので、その中で現代に残ってるなんてものは、もう奇跡みたいなもんです。

私の作品はどれくらいだろうか。自信はある。ただ何百年とか言われると、途方もなさすぎて想像ができない。何千年とかになると、何回か生まれ変わって聞いたりしていたりしてね。そうなったら面白い。来来来世くらいの私は、2021イイジタカヒロ時代の私のミュージックを気に入るだろうか。