ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

ショルイエレジー

 

 

 

2021/8/8

 

ショルイエレジー

 

とある書類を整えていた。

きちんと生きていくのに、また現在の状況を鑑みてお上にお情けを頂戴するために、書かねばならん紙がこの世には沢山ある。特にコロナ禍においてはなおさらで、書くのと書かないのでは懐事情が大きく変わってくる。

必要なのはわかっているのだけれど、とにかく面倒が臭い。自身の姓名を、住まいを、何度手書きで書かねばならんのか。この5枚くらいある書類、頑張れば2枚くらいまでにはなるんじゃないか、そもそもこの書類とさっき書いた書類の何が違うのか、お情けを頂くためには、平伏して踊らねばならん事が実に多い。

想定の3倍ほどの時間を使って、何とか書き終える。この時間は一体何だったのか。もちろん必要な時間なのだけれど、そもそもこれによって恵まれる金銭、正直恵まれる事を前提にして動いているので、行動してやっとゼロになる感覚が救われない。この浪費感。楽器なり小説なりゲームなり、もっと楽しい事に使えたはずの時間は、どす黒い苛立ちを纏って六畳間の虚空へと消えていきました。南無三。