2021/9/7
4度目のコインロッカー
首や肩の違和感と共に目覚めるライブ翌日。打ち上げもなく満たされなかった前夜に遊び耽った、報いのような倦怠感。銭湯に行って体勢を立て直すという用事すら急な雨に阻まれ、しぶしぶと映画でも観る事にする。疲れていたので重くないヤツ、しかし軽すぎると観る気が起きないので、色々選んだ末に「アヒルと鴨コインロッカー」を観る。
観るのは4度目くらいでしょうか。原作が好きなのもあるけれど、とても好きな映画です。
映画自体は「100点満点！！最高！！」という出来ではなく「72点、まぁこういうのがあってもいいよね」くらいのモノだと思っているけど、その感覚を含めてこの映画は好き。何だかとても「丁度良い」映画。
話や演技もそうだけど、作中の空気感がとても良くてね。「孤独だけど寂しくない」みたいな温かさに包まれている。劇中でさんざん流れる、主題歌のボブディランの歌のような、あの雰囲気がとても良い。
この映画を観ると、大学の頃のこれが好きだった友人を思い出す。良いヤツだったが、私の人生史上トップレベルに頭のおかしい人間だった。いつかの宅飲み中に一緒に見たな。懐かしい。アイツは元気だろうか。
見終わった後、何だか草の匂いが嗅ぎたくなって、少し外を散歩する。雨は降っていないがそれらしい湿気は残っている。川べりを歩きながら、遠くで聞こえる1匹のツクツクホーシの声に、とても叙情された。もうすぐ秋になる。もう、すぐに。
