ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

ウツロウツロ

 

 

 

2021/12/6

ウツロウツロ

暗い部屋で、ピーシーの前に座って、別に見たくもない動画を垂れ流しながら、今後のやる事を考える。

やる事はいくらでもある。今後の日程を考えれば、いくらでも忙しくする事はできる。そもそも何もしてなくても部屋は散らかるし、布と陶器の洗い物は増えていく。冷蔵庫は空洞を増やして、コーヒーの粉は減っていく。溜まったゴミを出すのはいつになっても億劫で、気がづけば汚れている水回りにはいつも辟易する。

やる事が例えなくても、日々の作曲と練習はしなければならない。これからの年齢は適度な筋トレも必要だろう。とにかく、何かをしなければならない。

ただ、各々の締切が、中途半端に遠い。バンド作業はもう少しだけ先の話になるし、日常を回すアレコレについては、最悪我慢すれば何とかなるので、期限は緩い。日々の日課を何となくこなすと、少しだけ宙ぶらりんの時間が始まる。さぁどうするか。

無論、こういう時に先のことをやっておけば後々楽になるのはわかっている。というか、今やっておかないと後々地獄を見るのもわかっている。しかしこの宙に浮いた時間は、何となく、何もできない。病院の、診察が終わった後の待ち時間のような、虚ろな時間が何となく流れている。

部屋はもう少し暗くなり、いつのまにか動画は終わっていた。やる事は無限にある。しかしとりあえず、何となくギターを弾き始めて、いつも通り、何となくの作曲を始めるのである。