ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

VSプレデター

 

 

 

 

2022/1/17

VSプレデター

今日も作業です。次のライブまで少し間もあるのでスタジオの予定もなく、外出の予定もあまりないので、音を聞きながら六畳間に左クリックを響かせるのが今の私の仕事です。

音、音、音ですね。今扱ってるのはいろんな音、いわゆるヘルツの集合体です。一応、波形という形でデータにはなっているものの、目に見えないモノをずっと扱っています。考えてみれば変な話です。CDなんかはまだ目に見えましたが、最近のサブスクでは完全に不可視になってしまいました。

形のないモノをずっと扱っていると、だんだんわからなくなってきます。鳴ってる音がズレているのか、私の耳が狂ってきたのか、はたまた頭か。

小さなニュアンスを聞き取るためには大きな音で流すしかなく、しかし集合住宅の一室に住む私には環境音を変化させる資格はなく、どうしても爆音にヘッドフォンの作業になります。両の鼓膜を直に揺らして作業をしていると、だんだんと平衡感覚が削れていくのがわかります。暖房で膨れ上がった部屋の空気も相まって、長時間の作業をしていると意識が落ちそうになります。

それでも、いくら作業を続けても目に見える進捗はありません。音を聞けば完成に近づいているのはわかるのですが、目に見えるのは波形とミキサーだけです。そもそも音源における完成というのも正解がない形になるので、もうわからんです。せめて目に見えたらもう少し楽になるのに。全国のレコ屋さん、マジで尊敬します。

目に見えない怪物に意識を刈り取られる前に、完成まで漕ぎ着かねばならぬ。もう何日かは修羅場、闘わねば。