ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

レンタルメンタル

2023/8/2

昼食、町中華にてラーメンを喰らった後、所要あって自転車に乗り商店街へ。信号を越え橋を越え、あまりの暑さに断念しそうに、というか命の重さや大事さを考えて引き返しそうになりましたが、少し曇ってきたのもあり、なんとか奮い立たせました。しかし、まだ若い、という言葉はそろそろ使えなくなってくるぞ。気をつけろよ私。

所要、と言っても毛髪の裁断なのですが、予約まで時間があったので、近くのツタヤで時間を潰していました。レンタルなんてシステムは下火ではありますが、それでもやはりツタヤは品揃えが良いです。映画のDVDなんか、ゲオなんかは社会的に有名なものしかないんですが、ツタヤにはきちんと「マニアには有名」みたいなものが揃っている気がします。その辺は流石です。

サブスクは確かに便利なんですが、古今東西の映画がずらりと並んだ棚を眺めるというのは、やはりレンタル屋にしかできず、楽しいです。これ昔見たなーとか、これ結局見てないのよなーと思いながら歩くのは至福です。オススメです。

 

少し歩いていると、CDレンタルのコーナーに差し掛かりました。眺めてみると、なんと一棚しかなくて驚嘆しました。

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邦楽洋楽、アニメやクラシック、全部あわせてこの両面で終わりです。なんという事でしょう。かつては階が別れているなら、1階丸々CDコーナーの店舗もあったといのに。いまやお情けで置いてあると言っても過言ではない状態です。諸行無常、栄枯盛衰を感じます。

時代の終わりを示すように、中古販売のコーナーにはCDが敷き詰められていました。100円のCDがさらに半額にされていました。その中には私の知っているバンドも沢山いて、むしろ私の知ってる、一般世間はあまり知らないくらいのバンドが一斉に切り捨てられていて、少しだけ消沈しました。別にバンドがなくなったわけではないのですし、なんからサブスクで聞きやすくなってはいるんですが、慣れ親しんだCDレンタルという文化の衰退を感じると、とても寂しくなります。中学時代から毎週のように借りていたCDたち、なんならここではないんですが、大学時代はツタヤで働いてましたからね。レンタル文化には愛着と馴染みがあります。ええ、寂しいもんです。

まぁそれはそれとして、中古販売を漁っていました。こういう所に掘出し物があるもんです。サブスク全盛の世ですが、逆にサブスクに登録されていない音楽を聞く手段が狭まってきました。売れているバンドでも、昔の音源はサブスクになかったりします。ここからCDがさらに衰退するとなると、マジで聞けなくなる時代がやってきます。その前に確保をしておかねばならんのです。

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という事で見つけました。思わず声が出ちまいましたね。GENERAL HEAD MOUNTAINとTHE PREDATORSのCDもありました。どちらもサブスクに登録されていませんし、ジェネの方なんて、もうネットでもそうそう買えるもんじゃないレア盤です。良い買い物しました。

消沈した気分は何処へやら、まぁ形態が変わるだけで音楽が消えるわけではありませんし、間違いなく世の中はより広く、より安く、便利になっています。悲観することはありません。

散髪の時間も迫ったので、気分は晴れやかに向かおうとすると、外は大雨が降っていました。雷が降り注ぎ、コンクリートに池が生まれるほどに雨が降っていました。コンビニで傘を買ったら1500円が消失しました。散髪の時間には遅れて散々です。何がサブスクでしょうか。やはりCDだ、レンタル文化を消してはならぬと憤慨しながら、床屋の椅子で目を閉じていました。