ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

老いて置いて

 

 

 

 

2022/3/23

老いて置いて

多分、ここ10日くらいの中、今日くらいしかゆっくり休める日はないので、ゆっくりしていました。ツアー中ですからね。仕方のないことです。

洗濯機の駆動を聞きながら、しばしゲームに感情を放逐。ひと段落したら、昼下がりの街を徘徊。数ヶ所の野良猫スポットを巡って、咲き始めの花々を楽しみ、膨らんだ桜に想いを馳せたりしていました。

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少し歩いたら本屋へ。小学校に入る前からお世話になっている、地元の本屋である。好きな漫画も小説もCDも、ほとんどこの店で買ってきた、馴染みの店である。

少し棚を歩けば、追っている漫画の新刊が2冊出ていてビビる。2冊、2冊も出たか。少年時、次の新刊を永遠に待っていた頃からすると考えられない。あの頃は、数ヶ月なんて待ちきれなかった。続きが読みたくて、果てしない時間の中を悶々としていた。発売日か、遅れても2〜3日以内には書店に駆け込んでいた。

そんな新刊が、今私の前に2冊ある。数ヶ月なんて期間は、今の私にはたった数ヶ月でしかなく、ライブの予定を辿っていけばそこまで遠い日でもない。速くなったのは私の感覚なのに、置いて行かれている気がする。言葉にできない寂しさに、じっとりと包まれる。

結局、その他買い損ねていた漫画本を計3冊買う。3冊で2000を越える値段に溜息を吐きながら店を出ると、そこから見える景色は随分と変わっていた。そりゃ小学生時分から20年以上経てば、同じモノなんてありません。今はない建物と、今はある建物。道を刻む信号機すら新しくなりました。諸行無常を五感で感じながら、昔から変わらない道を辿って家に帰るのです。