ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

またどこかで

 

 

 

 

 

2022/5/17

またどこかで

夕暮れの街にて、偶然、昔の同僚と出会いました。

今日は本来なら昼過ぎくらいに街に来る予定でしたが、グウタラの果てに夕方になり、するとこんな奇跡が起きました。人生、たまーにこういう事がありますよな。とても面白いです。

良いタイミングだったので、一緒に飯を喰らいに行く事に。友人とは同い年で、漫画喫茶時代、一緒によくサボっていた仲です。働いていた漫画喫茶がコロナで爆破四散してから、しばらく会っていませんでした。そういえば私がクビになってから、もう2年になります。早いもんです。

小さな食堂にて、チキン南蛮をかっ喰らいながら、近況を話し合う。友人はその後保健所に勤めているらしく、コロナ禍で職場が地獄になっているとのこと。保健所、この惨禍の最前線ですからな、大変でしょうに。聞いてみれば今はまだマシで、前はもっと酷かったらしいです。ご苦労様であります。そういう話を聞いていると、現在あまり働いていない私の肩身がどんどん縮小していきます。せまい。

友人、言っても2年前までは一緒に働いていたので、お互いあまり変わった様子もなく、当時の心象のまま話す事ができました。漫画喫茶の狭いキッチンで、冷凍庫にもたれてダベッていた日を思い出します。あの店はもう閉店してしまったので、当然、そのキッチンももうないのですが。

しばらくの雑談ののち、店を出て、適当な挨拶をして別れました。こういう出会いは、やはり、よいです。別れの際も、私は自分のライブに誘うでもなく、友人はまた飯に誘うでもなく、お互いに次に会う日を決めることもなく、「またどこかで」って言って別れました。まぁ連絡先は知っているので、その気になればすぐ会うこともできます。できるのですが、私はこのくらいの関係が丁度いいと思っています。「縁があったらまた会おう」ってめちゃくちゃ良い言葉だと思います。その間、会わないくらいで関係が切れるほどの仲でもないのでね。

思わぬ偶然でした。人生は、おかしみに満ちています。次はどんな縁が、どんな偶然が私の前に姿を現すのか。ぼんやりとニヤけながら、暮れた街に自転車を繰り出しました。