ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

町から街への紀行文

2023/2/26

仕事終わり、いつもの場所に自転車の鍵がないので焦ってめっちゃ探したらいつもの場所にちゃんとあった事件を経て、渾身の力でペダルを踏み込み町へ出る。空気は冷たいが、空は綺麗に晴れていて心地が良い。両脚にかかる負荷から、タイヤの空気が少し抜けているのを悟る。何処かで入れてやらねばならんな。カラカラと音を立てながら、ボロボロの自転車が路地を交う。

商店街、馴染みの古本屋を訪ねる。こじんまりとしていてとても良く、よくお世話になっています。先日は名刺を置いて貰ったのに続き、本日はなんとポスターまで貼って頂いた。ありがたや、ありがたや。

昔の装丁の、ケレン味溢れる横溝正史を買いました。そういうの、ブックオフなんかにはあんまりないのですよな。そもそもブックオフどころか、古本屋も随分数を減らしました。子供の頃は商店街2軒あったのですが、今はもうどちらもありません。酷い話だぜ。

その後はラーメンを喰らい、そのまま町から街へ、天神まで行く事にする。予定はしてなかったが、大阪からハイファイコーヒーズが来ているという噂を聞いてしまったので、これも思し召しとペダルを漕ぐ。目指すは天神public bar bassic。初めて行く場所でした。

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ハイファイコーヒーズは今年で18年目らしい。純粋にすげぇ。流石に上手すぎるし、凄すぎました。初めて観た日から方向性は殆ど変わっていないのに、何ならメンバーも減っているのに、ライブも曲も実に純粋な強化を経ていて、あまりにも強かったです。バンドとしての強度が高すぎる。我々も、まだまだ鍛える余地はあるはずです。頑張ります。

さて、勢いで街まで来てしまったので、ここから帰るには40分くらい自転車を漕がねばならんのです。非常にダルくなりました。ダルさを誤魔化すように、ついでにいくつかのライブハウスに闖入して、1杯飲んで帰りました。揚々としていたつもりですが、若い人が多くて内心ではビビりまくっています。30越えで大した実績のないバンドマンなんて、私が若い頃は普通に見下していたので、その頃のツケが最近よく回ってきています。どうかここに居させてくれ、と祈りながら、プラカップに入ったジンジャーエールを揺らしていました。

数軒回ったら、諦めてハンドルを握りました。40分の道のりを、ゆれるを歌いながら帰り、辿り着いたら夜は遅くなっていました。身体も疲れていたので、寝る準備を後回しにしてグダグダしていたら、寝る時間なのに寝る準備が何もできていない状態になっていました。なんならブログすらも書いていない。もう全部投げ出したい気持ちをグッと抑え、私はひと文字ひと文字、ブログを書き連ねるのです。