ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

まだらの人

 

 

 

 

2022/6/19

まだらの人

所用にて、街に向けて自転車を漕いでいました。最近は、街へ向かう最短のルートとは別の「猫に沢山会えるルート」を開発し、狭い路地をぐるぐるとしながら向かっていました。

今日は暑かったせいか、お会いした数は少なめでした。それでも、お会いできた地域猫の方は人に慣れており、近寄って撫でさせてくださいました。

f:id:iijitakahiro:20220619212901j:image

ありがてぇ、ありがてぇ。手を洗う手間は増えますが、ありあまる嬉しさに包まれます。

猫は好きです。シンプルに可愛らしく、こちらが苦しくなるほど愛くるしい毛玉どもです。飼い猫の人懐っこさも好きですし、野良猫の奔放さも好きです。両の性質を持つ地域猫なんかは偉大です。基本的に顔は飼い猫の方が可愛いのですが、野良猫の野性味あふれる顔も、またそれが可愛かったりします。猫は良い、良いぞ。

まぁ、結構、勝手な愛情ですがね。自覚はあります。可愛い可愛いと言って、野良猫の巡りをしておきながら、地域猫に食物をあげるでもなし、そのためにお金を払うでもなし、小倉駅でやってる保護猫募金には通るたび小銭を入れてますが、まぁ、それくらいです。

でも、みんな、そんなもんですよな。愛情と感情と実情なんて、噛み合ってる奴の方が少ないと思ってます。好きと公言する作家の本を中古で買ったり、期待してたモノが発売されても買わなかったり、応援してると言ってるバンドのライブに行かなかったり(別に恨み言が言いたい訳ではない、決して)。でもそんなもんです。それが普通だと思います。

みんな、どこかしら、ずるいのです。真っ直ぐに見えるアイツも、公正を振りかざすアイツも、どこかしらずるい側面はあるはずです。少なくとも、ちょっとした信号無視や、スピード違反なんかはやってるでしょう。そこまで守っていたらもう天晴れなのですが。

だからまぁ、なぁなぁでよいはずです。倫理の紐は色んなモノをくくりつけてくれますが、強く縛りつけると身は鬱血しちまいますぜ。自分も他人も、適度に緩めて、適度に許して、そうしていかないとただでさえ住みづらい世の中が、さらに息苦しくなってしまいます。

最後の一線、自分にとっての美学だけ少し強めに結んだら、あとはなるように行きましょう。私も変わらず、野良猫を愛でていきます。