ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

デッドロックミュージック

 

 

 

 

2022/7/2

デッドロックミュージック

福岡キューブリックにて、ライブでした。

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深居優治という人間の企画であり、活動を休止していた彼の復活祭でもあります。でも1年と少ししか休止はしてないですし、彼もよく話題に上がる人間なので、久しぶりとかいう感じは全くしなかったですね。でもみんなから祝われていて、少しだけ嫉妬してしまいます。私も休止するか、3ヶ月くらい。

久しぶりに見たようで、そうでもないような彼のライブは、以前に比べて少しだけ「生命力」みたいなのが見えた気がして、良かったです。休んだ甲斐はありそうでしたな。前はもう、幽鬼のようでしたからね。ライブの後、楽屋に戻ったと思ったら、いない、みたいに消え去ってしまいそうな空気は、今日は少しだけ薄れていました。

MC(彼の場合どこまでがMCなのかはわかりづらいですが)で彼が言っていた、音楽、活動に関する話。諦める、諦めないを絡めたシビアな話は、私も思うところがありました。私も彼も、齢30を過ぎてしまいました。年齢なんて関係ない、と言う人もいますが、少なくとも常在する自分の意識には深く関係しています。心から本気で「年齢」という概念さえ頭に浮かばない、そんな人なら関係ないでしょうが、我々はそうもいきません。私も彼も、歳をとってしまいました。不可避に、残酷に、ゆっくりとね。

それでも、今日も我々はライブをするのです。特にノンフィクション、本日はめちゃくちゃいいライブをしました。自信はあります。そこいらの10代20代まとめて薙ぎ倒せるくらいの自信はあります。このステージ上の時間、自分達の演奏が許可された30分前後だけは、マジで年齢は関係ないと、それは私も思います。どんな大御所でも、若手でも、売れていてもいなくても、目の前に何人のお客さんがいようが、いまいが、この時間だけはすべてが平等、そう信じてやっております。

もちろん、それで最強のライブをしても、別に売れるわけではない事は知ってます。それくらいはわかってます。でもね、色んなモノを抱えてライブをしていて、売れるにはソレをいくつか捨てねばならんのですよ。誇りとか美学とか、余裕とか、金銭だってもちろんそうです。それらを抱えながら最強のライブを目指したのが今なのであって、その形を変えるのには、少し、抵抗があるのです。まぁ、言ってしまえば怖いのですがね。

我々は、なんでもできます。例えば突然曲のスタイルを変えたり、全員衣装を変えてみたり、頭の悪そうな宣伝を無限に打ち出して、チェキをガンガン売ったりもできます。しかし、我々は、なんでもはできねぇのです。デッドロックと言って、差し支えはないかもしれません。

今書いたのは我々に関する事ですが、たぶん彼にも通ずるところはあると思っています。それでも、私は彼の復帰は本気で祝福しますし、我々はまだ、活動を続けます。

深居優治よ、復活おめでとう。また一緒に苦しみながら、逢ったら笑って、楽しく日々を過ごそうじゃないか。

 

ライブが終わり、軽いハコでの打ち上げを終え、残ったメンツで飯を喰らいに行きました。

残ったのは今日のボーカル5人で、アレコレ言いながら開いてる店を探し、馬鹿な話をしながらラーメンなど啜っていました。とても楽しかったです。

楽しくライブをして、友人たちと飯を食い笑って、新しい友人もできました。何の悩みもなく、こういう日だけが続けばいいのに。心からそう思っています。