ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

8月18日 ミッション、コンクリート

朝は6:50に起床。私がこの時間に起きるという事は、バイトである。

毎夜のように、「今日は7時間寝るぞ」から「まぁ6時間寝ればいいでしょ」から「5時間しか寝れんやん」になる。もう何年も成長していない。だからこれは、もはや習性なのだと思う。そういう動物なのだと思う。

 

無理やり朝型になろうと、朝の早い仕事を選んだのが、今となっては裏目である。「早起き、朝型は良い!」と言っているビジネス本の著者に陰湿な嫌がらせをしてやりたい。結局問題なのは、自分の意思の弱さなのであるが。

 

これクッソどうでもいいんですけど、例えば「肉が好きで食べるのが止まりません」みたいな悩みを抱えている人に「大豆の方がタンパク質豊富ですよ、大豆にしなさい」みたいなアドバイスをする人、いるよね。こういう人、日常でも話通じないんだろうな。離婚率めっちゃ高そう。

 

まぁ、そういう訳で頭は思い、身体はだるい、だが本日はバイトである。しかし仮に体調が好調だとして、その好調をバイトごときに使いたくないので、体調が悪い中でバイトをするのは、むしろ効率がいいのではないか?やるじゃん私、ということにする。

 

バナナはない。納豆と卵を入れて、支度をして、外に出る。今日は深夜に練習なので、練習と一泊の準備、仕事道具も持っていく。

 

外に出る。快晴である。状況的には金銭も考えて自転車で行くべきだが、面倒。命懸けでペダルを漕がない理由を調べた結果、明日は雨が降るかも、という話だった。本日自転車は街に停め、小倉で練習し、明日自転車で帰ってくる事になるので、雨が降ったら面倒だなぁと、安心して駅に向かう。

 

歩いて、駅から街へ、街からバイト先へ、着く。

着いたら、タイムカードを切って、仕事である。

 

お盆休み最終日という事で、まぁまぁ、中々にフィーバーをしている。007の冒頭のアクションシーンくらいは、フィーバーをしている。同僚と3人、Qによる秘密兵器を駆使しながら、案件を処理していく。新人エージェントが最近、動きが良くなってきたので、嬉しい。

 

時折、殺しのライセンスが欲しくなる時もあったが、無事にミッションをコンプリートする。Mと交代のエージェントに引き継ぎをして、タイムカードを切る。

 

いや、007は、そんなに知らないのだけれども。

 

その後、控え室にて、少し寝る。起きたら、引き続き店に居させてもらい、作業をする。演劇の台本を覚え、新曲のアレンジも考え、歌詞も書く。途中、店を抜け出して、近所のライブハウスに行く。広島の深居優治が、本日企画をやるのである。流石に仕事で見に行けないので、顔だけでも出しておく。

道中のドラッグストアで、偽カロリーメイトを3つ、差し入れとして購入。おにぎりが安かったので、3つ購入。こちらは夕食である。

ライブハウス、キューブリックに着き、差し入れを渡す。見に行けない事を詫び、CDだけでも買う。

 

その後、店に戻って、今度は動画を作り始める。いやぁ、やる事、多くてね、もうね、うん、嫌。

ライブの日1日分を切り刻んだら、パソコンを閉じて、有給申請書を書く。これは今年の私の、生命線である。これがあっても私は今、月に10万も稼げていないのである。

しかし今年は、もう、時間がない。暇がない。何もない。バイトをする時間も、ない。ただ、やらねばならぬ。

 

30%オフのシールが貼られたおにぎりを3つ、流し込んだら、荷物をまとめて店を出る。高速バスに乗って、北九州へ向かう。

 

バス内では、眠りたかったが、中々眠れぬ。

仕方なく、新曲のアレンジを考える。

 

北九州に着く。ソウイチロウ君宅にて、車を動かす。みょーちんを迎えて、街へ向かう。

 

FUSEに着くと、めぐちゃんとソウイチロウ君は既にいて、準備をしている。我々も準備をして、練習を始める。

 

新曲製作を進める。演奏しながら、細かいアレンジの部分を突き詰めていくが、やはり深夜練習、みな、疲れている。

本当なら、新曲製作は深夜にやるべきではない。繰り返し頭を使う作業なので、脳の回転がいいタイミングでやるべきである。

だが、日程を組むのが遅かった事もあり、練習の回数も少なく、内容も無理矢理である。まるで、良くない。

 

それでも、もう先は決まっている。制限時間の中で、もがくしかない。ベースのフレーズを、少し変えてもらう。

皆の脳が現実を失いかけた辺りで、練習を終える。作成中の5曲、大まかな部分は問題ないが、細かい部分の詰め方がまだ甘い。料理はできたが、盛り付けや色味、乗せる皿なんかが、まだ曖昧である。家庭料理ならなんでもいいが、これでお金を貰うのならば、もっと考えねばならない。神は細部に宿る。

 

練習後、もう終電もないので、めぐちゃんを下関まで送る。初めはソウイチロウ1人が送る予定であったが、協議の結果、みんなで行く事にした。やいやい喋りながら、楽しく下関へ向かう。

 

めぐちゃんを送り、みょーちんを送る。あまりに腹が減ったので、何か食いたい気持ちもあったが、現在深夜4時、ロクに店は開いていない。色々グチグチ相談したのち、何もなくソウイチロウ君宅へと帰宅する。

 

冷蔵庫に少し食材はあったが、いけない、私はもう、睡魔に勝てそうにない。何か作ろうかというソウイチロウに詫びて、アラームだけかけて、眠る。

目を瞑って、数分で、意識は落ちる。