ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

過去の怪異と今日の驚異

2023/4/8

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「怪異と驚異」という展示に行ってきました。奇妙なモノ、不気味なモノ、可笑しいモノが沢山あって良かったです。元々結構、妖怪とか怪異が好きだった私にはうってつけの展示で、とても楽しかったですね。

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展示にあるモノは、もちろんレプリカも混ざっていますが、実際に催事や生活に使われたモノもあるでしょう。木彫りの像だったり、仮面だったり、模様入りの編み物はそれぞれモノとして展示されていますが、どれも間違いなく、何処かの誰かが作ったモノであります。切られた丸木にノミを入れたり、刃物で削ったり、市場で買った糸を一針一針縫っている姿を想像すると、人類の歴史を感じます。これは想像ですが、そういう人は間違いなくいたのですよな。当人、後年に博物館にて飾られるとは思ってなかった人もいるでしょう。面白いもんです。

しかしもう、色んな怪異のみなさんが、色んな場所から国から、つらつらと並んでおりました。人魚から河童、龍、鬼やら巨人、喋って襲ってくる木。昔の人は色んなモノを怖がっていたもんです。これを見る限り、「人外の何かが知性を持って襲ってくる」という恐怖は万国共通のようですな。まぁ、人間並みの知識を持つ動物はいないとは現代だから言えますが、昔の人はそりゃあ怖かったでしょうな。しかしその恐怖も、催事からの治政に繋げたり、戒律や教育に使ったりと、きちんと活用するのが面白いところです。

展示では、後段に「幻想観光と商品化」という形で、現代に残るネッシーやら雪男やらの話と繋がりまして、

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最後段ではアマビエが展示されて現代と繋がります。

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これにて、怪異や妖怪というモノは、あくまで昔と1ミリも離れず現代まで地続きなのだとわかります。コロナが流行った3年前も、天狗が暗躍した江戸の時代も、「過去の人類」というくくりでは何も変わらない事がわかります。とても良い展示でしたな。ボリュームもあって、楽しめました。

博物館、今回は投票に行った足が勿体なかったので、気まぐれで行った形になりますが、たまに行ってみるもんですな。いや、前から行きたいと思ってた展示はいくつもあったんですが、日々を忙殺しているうちに霧散してしまいます。もうちょっと、日々の意識を散布していかねばならんです。

思考ってのは、ちょっとしたキッカケで固まって、それが思想となるもんです。逆にキッカケがなければ、どんだけ思考しても中々固まらないもんです。みんなね、そうやって思想を深めてきたんですよ、私も、過去のすべての人々もね。

 

ネイティブ・アメリカンのホピ族というみなさんが作った人形が、非常にユルくて、かわゆい。

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なんだこいつ、ビレッジバンガードで見た気がするぞ、おまえ。