ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

縁と遠征のエンディング

2023/6/25

熊本、sound space factorにてライブでした。

間に一日空いてるとはいえ、一昨日の大阪日帰り強行の疲れも抜けぬまま本日は熊本でのライブです。とはいえ、一昨日を考えれば熊本までの行程3時間ごとき大した事ではありません。いざ行ってみると本当に大した事なく、サポートベースのおひなさんと共に、車内でやんやん話しながら九州道を下っておりました。

 

そうして到着しました熊本ファクター。名前は聞いていましたが、行くのは初めてのライブハウスです。熊本の町の一角、ビルの4階に位置するこのハコにはエレベーターなどという軟弱な機構はないため、私は30キロのギターアンプを両腕に抱き咆哮しておりました。

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少ししたらリハーサルへ。演奏を重ねながら、人死にが出そうなほどの出音を何とか抑えていました。爆音は正義なのですが、過剰な正義は時に人を傷つけるのです。我々の正しさをきちんと伝えるためには、丁度いい正しさが必要なのです。結構、世の中のものは何でもそうです。この辺のバランス感覚は成長なのか老化なのかわかりませんが、昔の我々よりは今の方が間違いなく格好いいので良しとします。

終えれば昼食。店長さんとピカソフィッシュ野口くんの案内の元、煮干しラーメンの「にぼらや」というお店へ。爽やかな深みとキレがある煮干しの醤油ラーメン。豚骨ラーメン原理主義の私ですが、これは流石に美味い。

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ピカソフィッシュの野口くんは、彼が昔やっていたバンドで対バンをして、その頃から我々を気にかけてくれています。と言っても前のバンドで共演したのも7年前くらいで、回数も数回くらいなのですが、こうして縁を続けてくれているのはとても有り難いです。中には毎月のように対バンしていても、ある時ふっと消えるようにいなくなる奴も居るというのに。縁ってのは実に不思議なもんです。

 

そしてライブです。先日とは打って変わって我々ぶっちぎりの最年長。その意味と義務を背負って、叩きつけるようなライブをしてやりました。ここでつまらんライブをしているようでは、この歳でバンドはできません。人生賭けてライブをしてるというのは、そういう意味では嘘ではないのですよ。ライブイズライフ、どこまで続くかわかりませんが、やれるだけやってやるつもりです。

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あとこれは私が適当に描いたおぱんちゅうさぎです。画力ってのは中途半端が一番面白くないという見本になるでしょう。「適当にね」と言いながら、ちょっとプライドを出そうとしてるのが実に愚かですね。救えねぇ。

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終演後、若者たちの経済事情と、中年たちの体力事情が複雑に絡み合い、打ち上げもなく解散になりました。ひょっとしたら私が避けられていた可能性もなくはないです。打ち上げがなくなったのは少し残念でしたが、正直残りの体力もかなり残念だったので、少しだけ助かりました。皆に別れを告げたらそのまま車に乗り込み、道中のコンビニで小麦とコーヒーだけを流し込んで帰投いたしました。

 

思ったより早く家に帰り着くと、少し空気の澱んだ3日ぶりの我が事務所。鞄の中の大量の着替えを処理しながら、先日の大阪と本日の熊本、ライブの反省点、縁というモノについて考えていました。思うところは多々あれど、最終的には明朝に急遽入った仕事のことに塗り潰され、呻き声を上げながら枕との再会に涙していました。