ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

流るる縁

 

 

 

 

 

2022/12/10

流るる縁

鹿児島の借宿で一夜を明かし、ノンフィクション一団は一路熊本へ馳せ参じ、本日は熊本NAVAROにてライブでした。

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入口のこれを見るたび「バーサーカーの石斧だよなぁ」と思ってしまいます。わからない人は結構。

 

本日は熊本、THE KITCHENのレコ発でありました。共演にはマーシーウッドペッカーもいました。どちらも数年前、福岡アーリービリーバーズで馬鹿みたいに対バンをしていた仲です。本当に多かった。どちらとも年5回くらいは対バンしてた気がする。今ではアーリーは亡くなってしまいましたが、あの場所で貰った縁は今も結構繋がっていて、それが私はとても嬉しい。

キッチンの企画はもう何度か出させて貰ってますが、毎度しっかりと、芯のある方々が集まっているのは流石だと思います。見るのも演るのも、とても楽しい。そして対比するように主催の日のキッチンのライブは、いつものキッチリした感覚でなく、だいぶラフなテンションで行われて、それがまた可笑しい。地元ですし、楽しくなっちゃうんでしょうな。気持ちはわかります。めっちゃわかります。でもそんなライブもちゃんとキッチンのライブであり、それはそれでとても良いモノなのです。

しかし、CDを出し、長めのツアーをして、東京にもバンバン行くキッチン。状況や情勢関係なく、ただ邁進する彼等の姿に、私はいつも力を貰っています。それは私の暮らした、私の愛した10年前くらいのバンド達を思わせる動きであり、そこに現代のスマートさはありませんが、バンド活動をスマートだけでやり過ごそうとする奴等には決して出ないパワーがあります。私は普通に尊敬している。

我々も負けちゃいられません。頑張ります。今日もよく叫びましたが、次はもっと良いライブをします。増やすべきは得点ではなく最高得点。我々は100点満点のテストで「とりあえず」5万点くらい取ることを課せられているのです。それもいずれ越えていきます。宜しくお願いします。

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打ち上げでは、キッチンのドラムのノナカ君と結構、密な話をしてました。彼とは前のバンド、karte時代からの仲なので、それなりに長い縁になります。お互い地方都市という決して広くないコミュニティで、色々似たようなモノ、似たような人たちを見てきて、似たような思いを持っています。流れゆく人と時代と風潮を、憂い半分、決意半分で話しながらグラスを空けていました。こればっかりは知識じゃなくて、人生で体感をしてこないとわからないテキストがあるのです。深いもんです。

バーに充満するタバコの煙のように、うっすらと沈澱する気持ちを抱えたまま、私も彼も、まだまだやるのでしょう。