ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

完璧な音源

2023/9/10

今日もひたすら、というか今日からが真にひたすらの、編集作業です。ファイル書き出しの時間だけで小規模な睡眠が摂れそうなほど、繰り返しを繰り返していました。

製作中のCDも、締め切りまであと少しになりました。調整も最終段階ですが、まだ無理をすれば大きな変革も可能であり、このままでいいのか、変えるべきなのか、このままがいいのか、変えるべきではないのか、頭の中の天秤にミリグラムの分銅を乗せながら、少しずつ揺らしております。むしろ変えられなければ覚悟をキメたんですが、「変えられる」というのは逆に厄介なのです。

過去の音源、良いモノであると自負はしておりますが、ギリギリまで直すか迷って結局直さなかった箇所も多々あり、その部分を聞き返すたびに靴の中の小石を踏んだような気持ちになります。大抵、こういうのって悩んでいるの私だけで、聞いてくれる人はおろかソウイチロウ君でさえ気にしてなかったりするのですがね。それでも私が気になってしまうのです。

まぁ作品なんて、結局完璧なモノは完成しません。作った当時に完璧であっても、数年経てば作り手技量も上がりますので、どうしても拙い部分は露呈します。むしろ完璧を目指して修正を重ねたような部分が、一番目立ったりもするのです。因果なものよ。

それでも、作るからには完璧を目指さなければいけません。もちろん、我々にもリソースの限界はあります。この音源のために何百万の借金はできませんし、時間を取るため仕事を辞めることもできません。あるのは寄せ集めの機材と知識、上を見ればキリがなくなる技量、編集中の菓子さえ躊躇うような残高です。書いていて嫌になりますぜ。

それでも、その限られたモノの中で、完璧を目指さなければならないのです。捧げられるだけの人生を捧げて、今できるだけの完璧を。十年後の自分に敵わなくとも、十年後の自分が恥じる事のない完成を。過去現在未来と連綿と続く私の歴史の中で、誇りを掛けて作り上げねばならんです。あと少し、頑張ります。

 

なんか、部活動を思い出しました。大して強くもない学校は、全国優勝ができるなんて誰も思っていません。それの推薦で進学とか、あげくプロになろうなんて誰も思っていません。それでも大会に出て、全力を出すのです。全力を出して、負けたら悔しいのです。練習が少し不真面目だった奴も、終わったら泣いたりするのです。その涙に一切の偽りはないと、私は思います。そういうのでいいんだと、私は思っています。

そういえば私は小中高と剣道をやってましたが、運動神経という器官が存在しない私はまぁ弱く、最後の大会には補欠にすら入っていませんでした。別に弱かったのは事実ですし、長年やってた割に、根を詰めるほどの努力はしてなかったですので、当時も今も、別に悔しさはありません。

ただまぁ、今でも思い出すという事は、そういう事なのかもしれません。あの時出せなかった全力も一緒に、今の音源に込めたいきます。

あと少し、頑張ります。