ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

おもひでボロボロ

2023/11/4

我が母校、北九州市立大学の学園祭に行っていました。

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ここのとある軽音サークルにてソウイチロウ君と出会い、そこからノンフィクションが始まりました。もう十何年も前の話です。サークルではコピバンをしたり、馬鹿な行為をしたり、愚かな行動をしたり、頭のおかしい動きをしたりしていました。懐かしい話です。辺りを見渡せば、相も変わらず大学生のみなさんはとても愚かそうで、とても安心しました。最高だぜ。

生憎、私のいたサークルはあまりライブをやっていませんでしたが、それでも他のサークルのバンド演奏を聞いたり、適当に食べ歩いたり満喫していました。あとで友人やらに「学祭に1人で行った」という事実に驚愕されたり、笑われたりされましたが、祭りってのは1人でも中中楽しいもんですよ。活気の中をふらふらと彷徨い、目についた適当な揚げ物を齧るのは、なかなかの風情であります。

ふと魔が刺したので、大学の構内にも入ってみました。当然ですが人は少なく、閑散とした空間でしたが、そこから見える光景は実に懐かしく、たまらなかったですね。エレベーターの前に、売店の近くに、階段の踊り場に、そこら中に思い出が転がっています。かつて私も大学生で、ここに通っていました。垢抜けないバックにレジュメと筆箱、バンドスコアを詰め込んで、そこら中を闊歩していました。

もう2度と通う事はありません。そりゃあ、ちゃんと卒業してますからね。そこには何の問題もなく、別に後悔なんてのもないのですが、こうして見ると何故だか少し寂しくなります。卒業によって、私と大学とは間違いなく別たれました。お互いに生きていますが、もう2度とあの頃のように話す事はできません。考えてみれば、ある意味では死別のようなものなのかもしれませんね。大学と私との、死別です。

大学構内、2階から外に出て、中庭までの大きな下り坂のようなものがあります。昔、どっかからパクってきたスーパーのカートに乗って、その坂を降りようとして盛大にこけた奴がいました。私は友人と共に、それを見てケラケラと笑っていました。

この敷地内の、そこら中にそういう思い出があります。クソみたいな話ですし、カートについては普通に犯罪なんですが、それでもあの時の私は、腹を抱えて笑っていました。そんな事を思い出しながら、34歳の私は今日、その坂をゆっくりと下っていました。