ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

蒲公英と私

2023/4/19

昼下り、ラーメンで膨らむ腹を納めるべく川辺を歩いていました。穏やか、どころか暑いと言っても良い空の中、中途半端な厚さの中でじんわりと汗をかいていました。そろそろ、パーカーも薄いものにしなければいけませんな。

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歩いていると、そこら中にタンポポの綿毛があり、丸い頭を風で揺らしていました。タンポポ、綺麗ですよな、可愛いし。昔から好きでした。小学生の頃これが好きだと言ったら「女子か」「キモい」と友人にからかわれたのを思い出します。でも好きなもんは仕方ないです。かわいいし。

綿毛は綺麗に丸くて柔らかく、息を吹けばふわりと飛散して、種子はその意志を分散させます。こんな花、他に中々ないですよな。だいぶ奇妙で、とても面白いです。毎回思うんですがこれ、本当に根付いて花になってんですかね。一回でかなりの数が飛び散るので、そこら中タンポポだらけになる気もするのですが、そうでもないですよな。不思議です。

タンポポ、たんぽぽ、よく聞いたら変な語感をしていますね、たんぽぽ。可愛いような、ちょっと情けないような、あんまり日本語っぽくない気もします。漢字で書けば「蒲公英」となりますが、なんじゃこりゃですな。どう見てもたんぽぽではない。

何故これが好きなのか、私にもわからんです。息を吹いて綿毛を飛ばすギミックが、おもちゃみたいに扱えて楽しかった記憶はありますが、まぁ結局はわからんです。何故好きなのか?なんて問いは、結局のところはわからないし、最終的には「なんとなく好き」以外は出てこないでしょう。好きなもの、好きな食べ物、好きな音楽だってそうです。理由はわからないですが、自分の感じてきた感覚、脳内に走った電流の軌跡みたいなのの中で、たまたま噛み合ったものが「好き」になるのでしょう。

つまり私が好きなものは、ある意味では私の歴史、人生そのものなのかもしれません。大事にしていきましょう。そう思いながらまたひとつ、綿毛を飛ぶのを見ていました。