ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

フイのイフ

2023/11/5

久々に、映画を観ていました。「ベイビーわるきゅーれ」という邦画で、中々面白かったです。元女子高生の殺し屋2人が、社会に馴染むためバイトを探したりする、阿呆な映画でした。映画というより、ジャンプラくらいに載ってる読み切りみたいでした。

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この監督の前の作品、「黄龍の村」というのも過剰に面白いのでオススメです。好きな監督が増えるってのは幸せな事です。過去だけでなく、未来へも楽しみが増える形。なんて素敵なことなんでしょう。

 

しかし監督、たしか27歳とかなんですよね。実に若い。凄いです。若くて凄い人を見るたびに、称賛だけでなく、そこに嫉妬と羨望の混じった感情を覚えてしまいす。あまり綺麗ではない色の、グチャグチャのマーブル模様が胸中に染み込んでいきます。

今の自分の立場に不満はないですし、もし私が早く売れていたら、昨今の作品は作れていないでしょう。たぶん私も調子に乗っていて、嫌な奴になっていますし、下手したら解散してるかもしれません。酸っぱいブドウではなく、客観的にそう思っています。「売れてなくてよかった」なんて言わないのですが。これはこれで、悪い結果ではないと思っています。

それでもやはり、もし早くに売れていたら、そんな事を考えてしまう日があります。例えば私の好きな映画の、主題歌を私が作っているなんて世界線もあったのでしょうか。今売れているバンドと仲が良かったりして、一緒にツアーなんて回っているのでしょうか。きちんとした稼ぎを得て、胸を張って「ミュージシャンです」と名乗れているのでしょうか。

考えても仕方ないのはわかってるんですが、考えが止まらない時はあります。腫れ物を潰して、膿が出るような感覚。そこまでの痛みはないのですが、しばらくは跡が残りそうです。