ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

神戸ボンバイエ

2023/11/13

山口県岩国市、そのコインパーキングにて目を覚ましました。頭はフラフラ、喉はガラガラ、近くで電車がガコンガコン。中々、悪くない目覚めです。

 

サポートとも合流して車を発進。本日は兵庫県、神戸へと向かいます。岩国からは4時間半という、遠いんだか遠くないんだかよくわからん時間です。普段小倉から関西に行く時は7時間くらいなので、それよりかはマシです。

昨晩のライブの疲れ、行こうと思っていた近場の銭湯が閉まっていて時間をロスしたのもあり、なんとなく空気の悪い中、車は再び山陽道へ。遠征2日目は疲れはもちろん、話のネタもなくなってくるので、自然必然、無言の時間が長くなります。まぁ誰のせいでもなく、誰かの機嫌が悪いでもなく、今更無言を怖がるような関係性でもないのですが、やはり少し寂しいものです。

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いくつか銭湯を探しながら、結局はサービスエリアのコインシャワーへ。シャワーを浴び、昼下がりの秋、山中の空気を浴びるのは中々に心地が良かったですが、それでもかなり時間を取られてしまいました。別に誰かが怒り出すではないですし、相変わらず馬鹿な話はしていますが、なんとなくの澱みを感じながら車はまた発進。そのうちに山陽道にトドメを刺して兵庫県は神戸へ。本日は数年振りの兵庫県、はじめましての神戸DxQです。

 

神戸の街の道の狭さ、怒涛の一方通行、15分440円打ち止めナシとかいう悪魔のようなコインパーキングに振り回された結果、少し遅刻をしながら神戸DxQに入りました。それでも何とか時間ギリギリにリハーサルを終わらせて一息。これは洗礼なのでしょうか、神戸、恐ろしい街です。なんとなく、東京っぽい雰囲気ですよな。

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神戸DxQ、数年前にかなりお世話になっていた恩人たる店長がいまして、数年来お付き合いのある同い年のバンドの友人も働いており、その由縁で今回はお世話になりました。しかし本日、友人はライブでおらず、店長は体調不良でおらずという、なんとも寂しい来訪になってしまいました。仕方ないのは仕方ない。我々は旧交を温めるためではなく、ライブをしに来たのですからね。しかしまぁ寂しいのですが。

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コンビニでコーヒーをキメたら、間もなく開演となりました。本日は先述の通り、先頭の銭湯から中々良くない積み重ねが発生しており、どうなる事かと思っていました。しかし一番手、慧さんの弾き語りの暖かさに、二番手ヨルノアトのエモーションに、そして三番手岸っしゃんの、それはもう破天荒な、嵐のようなステージに心を打たれました。どんな顔してライブをすればいいのかわかりませんでしたが、「岸っしゃん ボンバイエ!」と叫ぶたびに、なんかもう、良い意味でどうでも良くなってきました。やるだけです。ただやるだけ、なのです。

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弾いて叫んで、暖かい夜を、しっかりと終わらせてやりました。感謝しかないですね。同時に我々も、誰かにとってそういう存在になれればと、心からそう思いました。

幾度となく「ボンバイエ!」をお借りしながら、楽しく楽しく、ライブを終わらせました。ありがとうございました。

 

ライブが終わり、打ち上げにて談笑。ライブでも言いましたが、友人がいなければ作ればいいのです。本来はそんなの柄じゃないんですが、今日は本当に、誰も彼もと友人になりたい夜でした。とても楽しい、良い夜です。

 

機材の搬出を終えたら、挨拶をして神戸の街を後にしました。私は車の後部座席にて、後に控える運転のために目を閉じました。2日間の日々を噛み締めながら、だんだんと周りの会話は聞こえなくなり、乾燥した車内の空気にゆっくりと溶けていきました。