ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

再度アウトサイド

2023/12/23

口まで覆ったネックウォーマーに、凍える息を吸わせながら、友人のライブを見に天神親富孝、キースフラックへ行っていました。

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友人、頑張っていました。良いライブをしていました。長い付き合いの割に、彼のライブを見るのは初めてだったので、不思議な感覚でしたね。親戚がテレビに出たのを見たような、ああいう感覚を覚えました。不思議なもんです。

 

しかしながらキースフラック、随分とお久しぶりです。前はちょいちょい来ていましたが、最近は全然です。そもそも元々、私の居るジャンルの場所ではないのはそうなのですが、それでも前は結構、友人が企画したりして観に行っていました。コロナ以降の時代、仕分け、と言ってしまうと乱暴なんですが、ライブハウスごとのジャンル分けがより明確になった気がしますな。

今日はかなり人が入ったイベントでしたが、周りには知り合いはほぼおらず、一緒に行った兄と2人で肩身を寄せ合っていました。もうライブハウスに通い始めて15年以上経つので、何となく、何処行っても誰か知り合いはいるんじゃないか、みたいな感覚に陥ってしまっていますし、実際はそこそこ誰かいるのですが、少しジャンルが変わってしまえばもう何もありません。それが当たり前ですし、今更自分の矮小を誇示するわけでもありません。世界は広く、色んな場所に色んな人がいるのです。

キースフラックの常連の皆さん、親富孝通りを跋扈する若者、高級感溢れるカウンターのバーに並ぶ男女、年季の入ったスナックから漏れるカラオケ、性が強調される飲み屋の哄笑、どれも私とは縁のないものですが、今この時も同時多発的に各所に存在しているのです。この街だけでなく、全世界まで広がって何処かで何かが行われています。途方もなさと自らの矮小さに気が遠くなりそうです。

私は私の知る世界しか知りませんし、その中で生きています。それでも、それを無理に広げようとは思っていません。すべてを網羅することはどうせ無理なので、風と気の向くまま、犬の散歩みたいにフラフラと歩き、たまに知らない道を行き、疲れたら帰るだけです。

キースフラックの店内には、たくさんの人がいます。こういう場ですし、誰かしら話しかければ仲良くはなれるでしょう。初対面のコミュニケーションはそこまで苦手ではありません。しかしまぁ、心底望んでいない限り、それも無粋というものです。縁があればまた何処かで会うでしょう、縁がなければそれまでです。そういうことで良いでしょう、きっと。