ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

3月14日 なにげない日常が素晴らしいらしい

朝、8時半にアラームが鳴る。


数回のスヌーズの後に、起き上がり、アラームを止める。室内は、まだ寒い。スリッパを探し履き、お湯を沸かす。


お湯とバナナを入れ込み、窓を開けて空気を入れ替える。まぎれもない朝、私の、普段、の、朝である。

うむ、久々の、日常が始まる。

 


さて、日常だ。

最近の私の日常とは、つまり朝起きて、一日パソコンで作業をすることを指す。そして本日も例に漏れず。

いくつか動画で目を覚ました後、作業を始める。

 


さて、まずは、4月から始まる、新音源のリリースツアー、その告知画像を作らねばならぬ。


画像を整え、文字を入れ、ロゴを調節し、全体を仕上げる。

単純な行程で、そこまで考える事ではないのだが、これが結構、面倒くさい。時間もかかる、何より疲れる。

現状あまり余力もないのだが、金を払ってやってもらえるほど金もないので、私がやるしかない。

やるしか、ないのだ。

 


作業を続ける。

続ければ続けるほど疲労はつのる。

口から漏れそうなサボタージュ願望を、ナッツで懐柔し、コーヒーで流し込む。

これで漏れる事はないが、最終的に吸収されて体内に取り込まれるので、あまり良い方法ではないのだが。

 

 

2時間ほどで仕上げ、昼になる。

一息を、入れる。

 

とりあえず、飯を食らおう。パスタを茹でる。

レンジで茹でるパスタのやつ。便利すぎてしょうがない。


ツナのパスタソースを絡めたパスタに卵黄を乗せ、余った白身を味噌汁と共鳴させ、取ってつけたように納豆も取ってつける。

豪勢ではないが、安い割に、貧相ではないのではないかね。

あまりね、私の生活力を舐めない方が良い。

 


喰らい終わり、一息。

また適当に、食後、休む。

いつも通り「ちょっと休みすぎたな」と思ったら、作業を再開する。これもまた日常。

 


さて、次は新音源のCDジャケットを作らねばならぬ。こちらも締め切りは近い。あまりうかうかはしてられない。

画像を整え、文字を入れ、ロゴを調節し、全体を仕上げる。


これがね、また結構面倒くさい。

しかし、告知画像よりかは、いくらか楽しい。

やはり、作品を作るのは楽しい。創造というのは、とても楽しい。

 


結局、世の中に「私のもの」ってあまりない。

 

「私のもの」に見えているほとんどは「今現在、所有権が私にあるもの」なのである。

金は使えばなくなるし、モノは捨てたり取られりゃ消える。つまりそれらは、制限付きで、貸してもらっているだけなのである。


だが創造物は違う。私の作った歌詞の、作ったメロディーの、作り出したCDの形、それらは全て、未来永劫変わることのない「私のもの」である。


もちろん、それはバンドのものでもある。Gtソウイチロウ君をないがしろにしようとは思わない。そうだぞソウイチロウ君、見てるかい?

だが歌詞やメロディー、CDジャケットなど、私が作ったものを「私が作った」という事実だけは、どう足掻いても返らない。

 


逆に、どうやっても返らないから、駄目なものができようが、それも私のものである。

私は「駄目な子ほど愛しい」なんていうのは思わない。

「駄目な子」なんて滅多には思わないが、それが「駄目な子」と私が思ってしまっている時点で、それは私の力量不足であり、敗北である。プロとして恥ずべき事である。


こういうところくらい、プロでありたい。

 

 

ジャケットを進める。

進めるが、これもまた、細かい作業が続く。

完成をイメージした後は、ひたすらに細かい作業である。しかもCDなんて、せいぜい年に1~2枚しか作らないので、前回作った時の行程を忘れてしまっているのも、痛い。

 

喉元まできているサボタージュ願望を、チョコレートでなだめすかし、コーヒーで流し込む。

 

全てを忘れて遊びたいが、そもそも全てを忘れる事なんて、できんぜ。

 

 

夕方になり、ひと段落。作業を終える。

作業中、BGM代わりにしていた演劇の続きを、なんとなく眺める。これを見るのは3回目くらいだが、見れば見るほど感心する。


「よくできたもの」は、良い。

美しさすらある。存在だけで、興奮が冷めやらぬ。

アガリクスエンターテイメントの「ナイゲン」という演劇、youtubeにあるので、ぜひ見て欲しい。本当、阿呆ほど笑えるし、馬鹿みたいによくできている。こいつぁ凄いぜ。

 


時間になったので実家に向かう。

事務所を出て、これが本日の最初の外出だと気がつく。いかんねコレは、腐るぜ。

 

 

夜。実家、飯を頂く。

食後に、ツアー日程の発表もする。

この後もまだ用事はあるので、早めに風呂も頂き、事務所へと戻る。

 

 

戻り、約束だった電話をする。

写真も撮ってくれているイケメンカメラマンのゆりの君に、ホームページやら、CDジャケットやらの相談をする。

ここに至るまで、という下手したら同じ大学の軽音サークルだった時から、それなりに各イメージの共有はできているので、話し合いも無駄なく進む。


私では結構に煮詰まってしまうのでなぁ、イメージを共有できてる人間に相談できるのは、本当ありがたい。

煮詰まったイメージを水で薄めつつ、2人で必要な味を確かめ、電話を終える。

ありがとうゆりの君。

 

そこから、ブログを書き始めて、今。

今日は早く寝ようと思う。

これ言ったの何度目か知らんし、これができたことは、ほとんどない。

しかし私は、やるぞ、ちくしょうめ。

 

そして目覚めれば、明日も、また日常である。

つまりそう、作業、で、ある。

あぁー。