ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

5月5日 良い気候の、良い紀行

朝、6時過ぎ、バスの中で起床。

そうだった、私は深夜高速バスにて、大阪へ向かう途中であった。高速バス睡眠、眠れるか不安ではあったが、結構に眠れたようだ、よき、よき。

6:20ほど、イイジ、大阪の地へ、降り立つ。

くぁーっと、身体を伸ばし、欠伸をして、水を飲む。風は柔、太陽がやたら、照っている。これぞ、五月晴れなる天候だな、いや天晴。

さて、どうするか。寝惚けた頭を振るいながら、キャリーを引きずり、歩いていく。それなりの時間眠ったとはいえ、バス睡眠とは、環境的には車中泊以下である。これで完全回復できる歳では、もうない。

さて、どうするか。

本日、私がやるべきは、ヤマト営業所にて送っておいたギターを受け取り、開演時間くらいで会場へ向かう事である。

現在、6:30ほど、そして開演時間は11:00。さぁーて。

 


とりあえず、ヤマト営業所近くまで歩いていく。時間はあるので、少し遠回り、目覚める前の商店街をくぐり抜ける。薄暗い道に、時折太陽が差している。夜は目覚めてはしゃぐのだろうが、今の寝顔は、案外爽やかなもんである。うむ、心地よい。

まずは、ヤマト営業所の近くに到着する。7時前である。この時間では、営業所はおろか飲食店も開いていないので、適当に腰掛けて、液晶と触れ合い時間を潰す。

そうしているうちに、7時。あと3時間ほど潰さねばならぬ。運のいいことに、私の目の前には3つの選択肢がある。

一つ、ネットカフェ、少しちゃんと眠りたい気持ちはある。

二つ、サイゼリヤ、飯を食いつつ滞在するのにはうってつけである。

三つ、近くのうどん屋である。八時間かけてバスでやってきて、迎えた朝、こういう朝のうどんは、危険なほどうまい事を私は知っている。

よし、では、とりあえずうどんを食う。その後サイゼリヤに入り、激安メニューをビザにして滞在を決め込もう。少し出費はかさむが、これしか、ないね。

まずはうどんである。カウンター8席くらいの、小さいお店で、朝定食のうどんをすする。予想通り、うますぎて、参る。

ご馳走様を告げ、そしてサイゼリヤに入る。食いしん坊のようだが、そうではない。きちんと、戦略に基づいての動きである。ふはは。

サイゼリヤ、入って、ビックリ、「現在はモーニングバイキングのみ、1080円です」とのこと、「ちょっと考えます」と伝え、店を出る。マジかよ。なんてこった。困るぜ。

数分後、そこにはサイゼリヤで札を出すイイジの姿が。苦しい。苦しいが、仕方がない。近くに、ほかに滞在できる店がない。それどころか、あってもまず店が開いていな現在は7:20。観念して、泣きながら出費を重ねる。

払ったからには、食うぞ。うどんは食ったので、正直、腹は足りているが、この1080円を無駄にするわけにはいかぬ。いざ、ミラノ風ドリア。

食べてみりゃ入るもんだ。しかしそれでも、少し苦しいくらいは食べた。隣の、大皿を掻き込む女性に触発されながら、食べた。しばらく気を抜いたのち、パソコンを開き、作業を始める。ここが何処でも関係はない。作業が、押しているのだ。しないとね。

しばらく動画を切っていると、モーニングのラストオーダーを伝えに来る店員さん。折角なので、もう一皿ぶんついで来る。1080円なのだ、昼食ぶんくらいは、取らねばならぬのだ。食べるぞ、私は。

再び、入れ終わる。過剰な満腹感は、いつも通り私に「こんなはずじゃなかった」と語りかける。そうだよ、こんなはずでは、なかったんだよ。

そこからまた、パソコンをいじる。

今回は、マジで、工程が遅れまくっている、いかん、いかんと思う心が、またいかん。しばらく、切り刻む。

時間なので、パソコンを閉じる。気づけば、店に私しかいなかった。少し申し訳ない。キャリーを転がし、一応キッチンに「ご馳走様」を告げ、店を後にする。10時過ぎ、五月晴れは、ますます、色を濃くしていた。

 


ヤマト営業所へ、ギターを受け取る。無事に届いて良かった。「ギターを宅配で送る」というのは、たまに聞く話ではあるが、自分でやるのは初めてだったので、不安であった。やればできるもんだ、また一つ、自信を得てしまった。

しかしまぁ、ギターが、ハードケースなので、これが、重いね、キャリーと合わせて両手がふさがる。不便この上、なし。カメラも撮れんじゃないか。

何とかきんとか、ギターを抱え、地下鉄へ、乗って乗って、降りて、さぁ、会場。ソーコアファクトリー、着。私の舞台は、ここの2階、コーナーストーンバーである。

受付を済ませて、荷物を置き、さて、待機である。ライブを楽しもうではないか。少し待つと、突然少年が始まった。見るのは初めてである。評判通り、ディストーションが効いておる。良いではないか、良いではないか。

終わったのち、話したかったが、私の中途半端な人見知りと、何となくの楽屋の空気と、彼等が結構、すぐ帰ってしまったこともあり、話せずじまい。まぁ、これも縁、巡り合わせである。

そして、会場に、知り合いが、全然、いない。そりゃあそうだが、今日はメンバーもいない。寂しくないと言えば、嘘。まぁ、もう慣れたけれども。

ちょいちょいと演者を見ながら、出番の準備を進める。弾き語りは久し振りなので、少し、固い気がする。何となくの楽屋の空気で、派手に歌えないのが少し気になる。

出順は進み、さて私の出番である。テンションは、上がっている。もうすでに、楽しい。

めっちゃ喋りながら、転換を進める。ギター、良し、機材、良し、音も、出る。よし、始めよう。

 


ライブを始める。アコギを弾き、録音し、繰り返し、叫ぶ。あぁ、楽しい。とても、楽しいなぁ。やはりライブは、いいよ、本当に。

トラブルもあったが、叫び散らして、ライブを終える。ありがとうございました。

 


片付け、しばらくは興奮状態である。酒も煙草もやらん私は、この状態は、数少ない無茶苦茶楽しい状態であるが、まずは落ち着ける。

落ち着いて、片付けも終えたら、うろうろする。バンドを見たり、弾き語りを見たり、うろうろ、する。ちょいちょいと「楽しかったです」と言ってもらえる。嬉しい。

祭りは楽しい、楽しい、しかし、少々、疲れた。こちとら、6:30から大阪に居るのである。ライブも終えた、今は16:00ほど。予定では終演は22:40である。長丁場である。演っている演者の方々も、全てを見るのは、事実上不可能である。

申し訳ない、と思いながら、楽屋で休ませてもらう。これは、体力が、足りぬ。いよいよ、足りぬ。

少し休んだら、スッキリしたので、またウロウロし始める。新しい知り合いも、そこそこ増える。ありがたいもんです。仲良くしてください。

昔の知り合いとも話しながら、時を過ごす。ありがたい、もんです。

外に出て、コンビニにコーヒーでも飲みに行くと、いい感じに日が暮れていた。ゆるい空気に、まだ少し冷たい風。うむ、よい。

 


さて、夜。イベントも佳境である、私はバンドを見たり、演者の終わったコーナーストーンバーで、色々と話をしたりしていた。

そして、そうこうしてるうちに、トリのギャーギャーズが終わり、イベントが終演となる。ありがとうございました。

ぷにぷに音楽祭、楽しませて、頂きましたぜ。

 

さて。

私はてっきり、この後皆で乾杯的なモノがあると思っていたが、演者の皆様は結構、帰っていく。あれま、ないのか、打ち上げ。それはしくじった。

まぁ私、この後、行くアテがまるでないのである。ネカフェを予約しようとも思ったが、後の行動が制限されるのも嫌だったので、宿は場当たりで行く事にした。

結局、主催者の皆様が残り、演者は私1人となった。まぁ行くアテもないし、宿を求め彷徨うのも今ひとつなので、居させてもらう。その間に、ブログを書く。

そして今、横で清算が終わった。この後、どうするのだろうか、わからないが、できる限りご一緒させて頂きたい所存。行くアテが、ないからね。マジで。