ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

5月12日 真の音楽を聴く

深夜は1時ほど、さて、我々、鹿児島より、福岡へと車を進めている最中である。運転はソウイチロウ君、助手席は私。サポート2人は、ある程度で眠りについてもらった。(別に殺した訳ではない)

ソウイチロウ君と、ただひたすらに、話す。連日の遠征で話題は尽きたとはいえ、話そうと思えば、いくらでも話題はある。今回は、お互いの小中高の、音楽遍歴などを語り合った。ソウイチロウ君が中々、ドラマチックな経歴で、少し腹が立つ。

話し、話す、話され、4時くらいまで、話し、福岡のSAに着く。しばらくはSAのツバメを鑑賞したのち、また動き出す。明日の作業のため、みょーちんに助手席を代わってもらい、後ろで少し寝かせてもらう。


目が覚めたら、北九州であった。といっても、2時間も経っていないが、サポート2人をそのまま車で送り、我々はソウイチロウ君の宅に、着地する。私はすぐに福岡に戻ろうと思ったが、バスが来るまでしばらくあったので、しばしソウイチロウ君宅にて、呻き声を上げる生物と化す。

少しして、バス停に向かう。時間がギリギリになってしまい急いでいたら、ソウイチロウ君が送ってくれた。ありがたい。別れを告げ、高速バスに乗り込み、意識は途切れる。


目が覚めたら、福岡であった。荷物をまとめ、バスを降りる。そのまま、バイト先に滞在しようかとも思ったが、行ってみたら忙しそうだったので、仕方ない、帰るとしよう。

しかし、自転車、なんだよなぁ。数日前、街に来る時に自転車で来たので、自転車で帰るのは当然である。この眠気とこの荷物で、30分自転車漕ぐのは正直辛いが、まぁ、仕方ない。金もないので、体力を使う。

朝の風景は、それなりに気持ちよくもあったが、まぁ、眠い、そして、つらい。

8時くらいに、自宅へと辿り着く。荷物を置くと、ベッドに飛び込み、意識を閉じる。私かて疲れているのだ、こういう時だけ使える必殺技「ノーアラーム睡眠」を、使わせてもらう。


起きると、14時であった。まぁ、それくらいか。それくらいやな。よし、動こう。

早い所「ノンフィクションの映像」を仕上げたいが、まずは昨日のブログが先である。ぽちぽちと書いて、投稿する。その後は、各種連絡、バイトのシフトを決める等々、色々動いているうちに、17:00を回った。

やる事が、やる事に、押し潰されているよ。

18:00からは、相談役ナカシーとの電話も予定しているので、テキパキ動かねばならぬ。郵便物の用意をして、家を出る。コンビニで発送を頼むと、そのまま花屋に向かい、母の日用のカーネーションを買う。誤解はしないで欲しい、カーネーションなんて買ったのは、小学生以来である。いつも感謝は伝えているが、なんとなく、思い立ったのみだ。

帰り道、18時には間に合いそうだなと、自転車を漕いでいたら、川辺にて、心地の良い音がする。小学生か中学生かの女の子が4人、金管楽器を持って曲を鳴らしていたのだ。全員が私服で、足元に楽譜を置いて、「さん、はい」と口で合図をしたのち、川に向かってアンサンブルを奏でていた。

その光景が、音楽が、とても素晴らしかった。何とも素晴らしかったのだ。とりあえず、ナカシーに遅延の詫びを入れて、しばし、聴き入る。

春の川辺、部活だろうか、いや私服だから習い事だろうか、とにかく日曜日の夕方に、女の子が4人、鳴らしているのである。反響も残響もない空間に、それぞれの吐息が、膨らんで飽和して、一瞬で消えていく。

こんなに美しい光景は、なかなか、ないよ。曲名も知らないし、腕前も未熟だろうが、こんなに、こんなに良い音楽はなかなか、ないよ。

日頃から、色々音楽に触れていると、こういうモノに、むしろ弱くなってしまう。刹那に消える音楽。当人達のためだけの音楽。装飾のないゆえに、虚飾もありえない。すべてのマイナスがなくなった、ともすれば真の音楽が、あれだ。


良いものを、見た。じっと見ていた、不審者で申し訳ない。けど、とても心が洗われた、ありがとう、女子4人組。


さて、自宅に戻り、パソコンに意識を繋ぎ、ナカシーとの会話を始める。ナカシーは晩酌をしながらの通信である。刺身を食べているらしい。羨ましい。

これまでの報告と、現状の確認と、これからの相談、話しながら、色々なモノを整理していく。

ナカシーも酔っていたせいか、今回はやたらと、私を褒めてくれていた。少し照れるが、嬉しいし、単純に、自信になる。なんだかんだナカシーは、サポートで叩かなくなっても、我々の心強い味方である。いやもうホント、マジで心強い。いなかったら我々は指向性を見失い、様々なロスが、ちょっとずつ増えていると思う。

普通に話していると楽しくて、数時間が経つ。名残惜しいが、この後もあるので、会話を切る。もう夜になっていた、飯を求めて、実家へと赴く。

 

飯を、頂く。遠征から帰ってきた後頂く飯は、すこぶる、うまい。食べ終えたら兄と談笑、母にカーネーションと感謝も渡し、少しして、事務所へと戻る。

戻ったら、ブログを書き始める。途中、サポートメンバー参画のための連絡を済ましたのち、またブログを書いて、今、である。

この後はどうするか、明日は朝、仕事なのよな。しかし、動画も仕上げたい、悩みに、悩む。ううむ。