ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

9月11日 デッドエンドとどこまでも

朝は11時、ソウイチロウ君宅にて起床。

一度、9時くらいに起きたはずだが、なぜかこんな事になっている。ソウイチロウ君宅だと、何故だか寝すぎてしまう。それは寝心地がいいからなのか、悪いからなのかはわからん。単純に、泊まるタイミングが疲れているだけかもしれんが。

ソウイチロウ君はもう起きて準備をしている。私もあーあー言いながら、準備をする。シャワーを浴びて、飯を食らう。ちょっと美味いもの食べたくなったので、フライパンを使って、卵とチーズを挟み込んで焼くやつを作る。クロックムッシュ、みたいに言えば格好はつきそうなやつ。うまし。

 

本日は、小倉FUSEにてライブである。しばらく演劇しかしてなかった我々。ライブ自体が久しぶりな事もあって、少し不安である。新曲もやるので、また不安。

しかもここだけの話、本日やる予定の新曲の歌詞が、まだ一節、できていないのである。今後の文章は、全ての節の頭に「歌詞を考えながら」がつく。

 

少ししたら、宅を出る。本日リハは一番目、少し早めの入りとなる。外の暑さで蒸された車に乗り込み、発進させる。

まずはみょーちんを拾い、そのままFUSEへ。昨日のFUSEの練習の際に、アンプ類なんかは置かせてもらったので、搬入はとてもラクである。

搬入搬出と、長距離移動。あと告知や宣伝。この辺さえなければ、バンドがもっと楽しくなるのになぁ。

 

そのうち、めぐちゃんも合流して、リハーサルが始まる。慣れ親しんだFUSEである。各自、当然のような音を、当然に出す。実家感ある。

新曲の確認もしておく。ギリギリまで詰め込んだ曲なので、リハーサルにて全体の合意を取る。新曲をやる日は、いつだって少し不安である。同時に楽しみでもあるが。ちなみに、まだ歌詞はできていない。

 

リハーサルを終えて、控え室でだらり。共演の方々も集まってくる。本日は6バンドと多いので、ノンフィクションは隅っこの部分に集まって、こじんまりとしておく。

 

さて、飯を食いに行く。何を食べようか思案したところ。「肉か魚なら魚ですね」というサポートBa.めぐちゃんのよくわからない指針に沿って、とりあえず街を歩く。そのうちに、ふと気がついて、玉食に行きたくなり、目指す。玉食とは、玉川食堂という、小倉の誇る昔ながらの食堂である。美味い、安い、雰囲気は実家と、素晴らしい拍子が揃っている。最近行っていないし、そうだそこに行こう。ノンフィクション4人、軽やかに歩き出す。

 

定休日だった玉川食堂を後にして、重い足取りで街を刻む。その後、たまたま目の前にあったので、うどん屋「やのや」に入る。こちらも素晴らしいうどん屋である。少々、値段が気になるが「おろし海老天ぶっかけうどん」にて、夏を感じる。

その後、ソウイチロウ君は楽器屋へ、めぐちゃんはお散歩へ行ったので、みょーちんと2人、FUSEに戻る。出番前のバンドマンというのは、拠点からなるべく動きたくない派と、むしろ動きたい派、どっちでもいい派がいる。私とみょーちんは1番目のようだ。ちなみにお嬢は2番目、ソウイチロウとめぐちゃんは3番目かな。たぶん。

FUSEに戻って、まただらり。少し、動画にも手をつける。細かく、作っていかねば、死ぬぜこれ。

と、この辺りで、歌詞ができる。なんとか、丸く収まったかな、とも思う。こういうタイミングの歌詞作りは、100%までしか詰められないので、揺れる。

 

そのうちに、軽い顔合わせをして、オープンする。本日出番は最後なので、まだもう少し、スイッチは入れないでおく。コンビニにてコーヒーを買って飲む。レジのお姉さんが私のシャツを見て「ナンバーガール行ったんですか?」と聞いてくる。行きました、と笑顔で答える。2人、共犯者の笑みを浮かべる。いいお姉さんだ、ライブ来てくれないかな。誘う勇気はないが。

 

して、ライブが始まる。1バンド目「イレブンバック」から、ジャキリとギターを鳴らしてくる。MCによれば20歳らしい。若すぎる。それだけでもう羨望ですよこちとら。そして若いのにしっかりしている。20歳の時のノンフィクションの20倍くらいカッコいい。

そのうちに、左耳に違和感が出てくる。先日のナンバーガールのライブでも、6曲くらいで左耳がブッ飛んで聞こえなくなってしまった。これはいかんと、途中で100均に耳栓を買いに行き、以降はつけながら見る。今まで、こんなことはなかったのだが。やはり、年齢なのか。

その後も、若いバンドマンが続く。もうアンケート表記の「30〜40代の男性」に入ってしまった私は、ただじっと、そのライブを眺めていた。

続けてくれ。みんな、是非とも。賢い選択を、しないでくれ。一緒に地獄に落ちようぜ。

 

本日、唯一の年上のバンド「10.8℃の世界線」見ながら、スタンバイへ移る。続けている人間の姿をね、本日はね、見せねばならぬ。手本となれるような立場ではないが、それでも、格好悪い姿は、見せるわけにはいかぬ。

 

楽屋にて、メンバーと本日のセットリストの確認をする。しつこいくらいに、新曲を確認する。

そして、前のバンドが終わる。ステージのセッティングをしたら、一度ハケる。そして、時間である。SEが鳴る。つい先日、生で聞いたナンバーガールの「NUM-AMI-DABTZ」である。思い出して、少し笑う。

入場する。歓声で迎えられる。ありがたい。本日はトリである。しっかりと、キメねばならない。

 

前口上を述べ、演奏を始める。存分に、歌い、叫び、始める。新曲「デッドエンドとどこまでも」も、やる。できたばかりの歌詞だが、奇跡的にほぼ間違えず歌う事ができた。間奏の合唱も上手くいき、上々である。

そのまま、ライブを終える。ありがとう、ございました。いやはや、楽しかった。

 

物販に、立つ。

地元のライブハウスであるが、本日初見のバンドさん、初見のお客さんも多かったようで、それなりに物販は出る。ありがとう、ございます。

 

その後、時間が経ったら、物販も片付けて、撤収に入る。片付けの途中、店長たるタケさんと清算をする。ノルマ代は、普通に赤である。真っ赤である。これでいい訳はない。もっと、なんとか、せねば。今後の話を、少しする。

 

終わったら、また撤収。阿呆のように重たいアンプと物販を、台車を使って車まで担ぎ込む。ほんと、荷物の搬出、搬入がなければ、バンド、もっと、もっと、ねぇ?

その後は、打ち上げ代わり、皆でメシを喰らいに行く。安心安定の北九州のソウルフード資さんうどんである。私はソースカツ丼を食らいながら、また、若いバンドマン達と、話す。

 

そのうちに、解散。サポートの2人は先に帰ったので、私はソウイチロウ君と2人、車にて帰る。8月の終わりくらいから、演劇とバンドでずっとくっついていた日々が、ようやくひと段落するので、2人で、息を吐く。とは言っても、1週間もせずにレコーディングが始まるのだが。

 

ソウイチロウ君宅に着く。何と私は明日、福岡にて朝からバイトなので、3時間ほどの眠りのち、高速バスに乗りそこからバイトというガッデムな行程が待ち受けている。ので、眠る。ソウイチロウ君は3時間後、私を起こすためにゲームをやって起きている。それに茶々を入れながら、徐々に、眠る。