ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

長い月のお別れ

 

 

 

 

2020/9/30

 

長い月のお別れ

 

9月が終わろうとしている夜は、悪くない月が浮かんでいた。

 

9月という、夏の終わりを広め、年の終わりを啓示し始める奴は、いつも寂しい雰囲気でいる。夕焼けとため息が似合う奴は、何でもない顔で、いつの間にか街の中へ消えていく。

すべてのものがいずれ終わることを奴は知っている。我々も知っているが、普段は知らないふりをしている。奴は知っていて、すべてを受け入れている。

そんなイメージ。

しかし私の中の、イメージの中の奴は、いつも穏やかな顔をしている。