ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

原典怪奇

 

 

 

 

2021/1/10

 

原典怪奇

 

もう何度も、「昔の洋楽」を聞こうとしているのやけれど、やはり得意ではない。格好いいとは思うし、凄いとも思うが、「好きになれ」と言われたら、かなり難しい。

やっぱり、歌詞が英語なのが馴染まない。文字通りの瑕疵になっている気がする。声高に叫んでいて「何言ってるのかわからない」は、少し辛い。1曲ならまだしも、アルバムを通すと段々掴みどころがなくなってくる。

 

私の好きな方々は、みな洋楽を神の如く讃えているので、何とか理解したいと十代の頃から頑張っているのだけれど、どうやってもルーティンに組み込まれない。すべて無理という訳ではないし好きなバンドもあるけれど、この海に対して、まだ顔をつけることくらいしかできてない。

あの、特に昔の洋楽の、ミルクたっぷりみたいな香りのするメジャーコードとか、ペーストみたいに混ざり合った楽器と声とか、3番どころか4番くらいまで引き延ばされた曲の長さとか、その辺がすごい苦手です。好きな人はそれがいいのかもしれんけど。私は現代の食事に慣れすぎてしまった。

 

昔に比べて、洋楽信仰みたいなのは減ってきたとは思うけど、どうなのだろう。今の若いバンドマンとか、聞いてんのかな。俺らでさえ実際は半々ぐらいだったけど。

そう思いながら無線LANに乗って、色んなバンドをバイキングしてみたけれど、今日もまた無力感と罪悪感と「知るか」という敵愾心に塗れながら、停止ボタンを、押す。