ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

濁流と夏

 

 

 

 

2021/5/14

 

濁流と夏

 

アラームが鳴った状態でフリーズをするという、おおよそ最悪に近い状況で迎えた朝。再起動の方法をパソコンで必死こいて調べ、何とか音を止めて一息をついた時、部屋の暑さを肌で感じました。

 

昨夜は、ほとんど眠れませんでした。布団を被って電気を消して、目を瞑ると頭の中、濁流のようにアイディアが渦巻き、眠気は全て押し流されましたね。

それでも今朝は仕事があったので、何とか寝ようと旋風のように寝返りを打って、敷布団と掛け布団を混沌に陥れていましたが、やはり眠れませんでした。

しかし、頭の中は絶好調。眠れない苦しみに苛まれながらも、ここ2週間くらい考えていたパズルのような事柄が、ピタピタとはまっていく快感に酔いしれていました。これはもう、本能が止めたくないと言っている。私が寝たいとか、明日はバイトとか、そういう問題ではない。この濁流に、いつまでも流されていたい。思考の楽しみってのは、一生尽きない猛毒ですよ。

 

そして朝。3時間ほどの睡眠で目覚めた私を待っていたのは、フリーズ機能付きアラーム。なんとか止めた後、部屋から、外から、確かな熱を感じました。結構な眠気と、もう出発しなければいけない憂鬱の中、昨夜の濁流の残骸に日が刺して、頭の中は荒々しく輝いておりました。この輝きを、しっかりと覚えておこう。

 

出発時間になりました。熱気にアテられて、ついに半袖で外に出ました。確かな熱を持った太陽光で、腕が灼かれるのを感じました。夏がもう、見える所まで来ている。