ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

借像屋にて

 

 

 

 

2021/5/26

 

借像屋にて

 

久しぶりに、レンタルビデオ屋に行きました。

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もう何年か、アマゾンプライムの品書きで満足してていた私。いざレンタルビデオ屋に来てみると、品書きになかった料理が推し並べられ、しかも全て110円で借りられるという事実にテンションが上がってしまいました。アマプラになくて300円かかる映画が、全部100円だぜ。すげぇ、ジブリも、黒澤明も全部ある。

いや、私がアマプラに毒されていたのは承知なんですよ。アマプラ、結構な量の映画が、名画も怪作もかなり揃っているので、結果それで満足できてしまうんですよ。食べたかった寿司はなくても、トンカツとかカレー食べられりゃまぁ満足するもんです。

 

洋画も邦画も、並んでいる棚を眺めているだけで、結構楽しい。昔見た映画、気になっていた映画、妙に引っ掛かるタイトルの映画を取り出しては、ジャケットをゲイズする。

どんな作品にも、それを撮った人が居て、それを撮影した現場は間違いなくあった。どんな空気の現場だったかは知らないけれど、様々な人の思念や情熱が渦巻いていたのだろう。下らない冗談だったり、その場特有のブームみたいな流行り言葉が生まれたりしていたのだろうか。完成した時は、みんなで笑っていたのだろうか。

そんな作品でも、今は場末のレンタルビデオ屋の片隅に1枚100円で置かれている。色褪せたジャケットに写る主演女優は、今も何処かでカメラに撮られているのだろうか。私はそれを借りるでもなく、棚に戻して物色を続ける。

 

20年以上前に作った会員証は流石に使えなかったので、免許証を担保にして作ってもらい、映画を2本ほど借りました。しかしすげぇですね、ゲオ。今は旧作14泊とかいけるんですね。もちろん100円、とても助かる。

叡智と情熱の結晶の塊たる円盤二枚、私の家で2週間のホームステイ。しかしこれが、一生忘れられない出逢いになる事もある。そうなる事を願いながら、私は自転車を漕ぎ始める。