ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

1枚のポスターの向こうに

 

 

 

 

2022/2/16

1枚のポスターの向こうに

ポスターが届いたので、配り回っておりました。

f:id:iijitakahiro:20220217183755j:image

排気ガスを飛ばしながら、町から町へ。スタジオからライブハウス、楽器屋まで、十数箇所に貼らせて頂きました。ありがとうございます。しばらくお店の壁、お借りします。

普段は行かない町の、普段は行かないスタジオ。しかしこういう場所にもバンドが居て、日夜情熱を掻き鳴らしているのでしょう。練習が終わったら、スタジオ近くのラーメン屋に行ったりして、各々の手段で住処に帰り、日々の抑圧を思いながら眠る。そんな風景が、この町にもあるのでしょう。

普段は行かない町、そして今後も、恐らくきっかけがない限りは来る事のない町。昔ながらのラーメン屋で食べたワンタンメンが、とても美味しかったです。私にとっては初めてのこの味を、故郷の味としている人もきっといる。

f:id:iijitakahiro:20220217182726j:image

ポスターを配るのは、そりゃあ手間です。それなりに面倒です。ですがこういう機会がなければ訪れない場所もあるので、そういうのはとても楽しいです。ポスターを郵送しても良いのですし、そうやってるバンドもいますが、私は可能ならば自分で訪れて配りたい。店に入って、人の顔を見て、お願いしますと言いたい。それによる心象効果みたいなのもあるのでしょうが、どちらかといえば自己満足です。それでいいのです。

私の普段行かない町に、我々のポスターを貼って頂く。縁もゆかりもない町にも、ほんの少しだけ縁が繋がった気がします。貼ったのはポスターですが、そのA2のコート紙の中には我々の情念や執念を染み込ませたつもりです。それが誰か、私の知らない人の目にとまり、ほんの少しでも伝わる。そうなる事を想像しながら、私はまた、次の町へ行くのでした。