ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

カシトワ

 

 

 

 

2021/10/13

 

カシトワ

 

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秋口の昼、空は曇天、本日は自転車で少し遠出をするつもりでしたが、雨が降ったら怠いので取りやめ。ならば別の作業をしようと昼過ぎくらいからファミレスに籠もって、数曲分、歌詞をしたためておりました。

最近サボっておりまして、こうやってじっくり歌詞を練るのも久しぶりであります。コーヒーをすすりながら、携帯のメモ欄と向き合っておりました。

昼時は終えたようで、店内の客入りはそこそこ。丁度いい喧騒の中で、意味と音韻を当て嵌めておりました。そこまで美味しくはないコーヒーを飲み終えたら、普段は飲まない紅茶でも試し、休憩中はココアを飲み、疲れたら玄米茶をすすり、最終的にはずっとお湯を飲んでいました。なんかもう、これが一番よい。

しかしながら、改めて考えてみて、歌詞って難しいものです。もちろん私は結構な経験がありますので、言葉は出てきますし、当て嵌めるのも慣れたもんです。だけれど「良い歌詞とは何か」と考えると、その度に少し、筆が止まります。概念について考えたり、私が好きな曲の歌詞を見返したりしても、よくわからないもんです。

よく表現ができていれば良い歌詞なのか、より言いたい事が詰められていれば良い歌詞なのか。音韻的に心地が良ければ良いのか。いろんな要素があるのでしょうが、どれも感覚で、数値で表せるものでもないのがまた難しい。

また、歌詞とは曲があって完成形なので、当然、曲と合っているかというのも含まれます。ここまでくるともう、わからん。

もちろん、どの要素も良くするべく頑張るのですが、無理をしすぎても駄目なのです。「良くしよう」とか「良い事言おう」とかリキみすぎると、大抵の場合変になる。気は締めすぎず、緩めすぎず。ろくろに乗った陶器のように、精密な集中力を以て形を整えねばなりません。

だから結局、無敵の精神と最強の語彙力を持った人間が自然体で書く、みたいな歌詞が最強なのかもしれません。いやでもそれを目指すのも違うんだよな。本当に、難しい。

3杯目くらいのお湯を飲み干したら、会計をして店を出ました。歌詞はそこそこ書けましたが、完成には至りませんでした。解けない難題、結局歌詞とはなんなんだい?変わらない曇天を少し吸い込んだら、ペダルを踏んで家まで帰るのです。