ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

モノガタリ リバーサイド

 

 

 

 

2022/2/2

モノガタリ リバーサイド

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本屋をブラブラするのは、昔から好きです。

漫画も文庫も単行本も、所狭しと羅列されております。惹かれるタイトル、好きな作家の新刊、最近よく名前を聞く作家や作品。ずらりと並ぶタイトルを眺めては、まだ見ぬ物語に思いを馳せています。本屋の静かな雰囲気も相まって、至福の時間となります。

私が何をしていても、時が経てば、本屋には限りなく新刊が入ってきます。一切絶えることなく、新しい物語が入荷されます。漫画だろうが小説だろうが、誰かのエッセイや自己啓発、何にせよすべては誰かの語る物語です。私が生まれる前から、私が死んだ後も、たぶん本屋には無限に物語が循環し続けるのでしょう。行く川の流れは絶えずして、みたいな話です。

その辺を考えると、人間の持つ創作欲求、物語欲求とでも言いましょうか。それらは何があっても止まらないモノなのだと思います。物語を作りたい欲求から、物語を読みたい欲求、そしてそれを誰かに伝えたい欲求、それらは人間の持つ習性の一種なのでしょうね。戦後の日本で、飲み食いすら不十分な社会情勢の中でも、貸本屋には長蛇の列ができていたらしいですぜ。

この本屋に並ぶ作品を、私はあとどれくらい知ることができるのでしょうか。私は比較的作品を見る方だとは思いますが、それでも人類の物語欲求のスピードにはとても敵いません。こうして視界に入る本たちの、そのほとんどを私は知る事なく死んでしまうでしょう。そう考えると不思議な気持ちになります。惜しさもありますが、スケールがでかすぎて面白さの方が先に立ちますな。

なるべく、たくさん読んでいきましょう。もったいないですし、何より楽しいです。こと物語については、知る事に害は一切ない、と思うのでね。いや、やっぱりあるかも。こんな風に面倒くさい人間になってしまうのは、見方によっては害かもですな。私はそっちの方が好きですが。