ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

テイルロード尾道

 

 

 

 

 

2022/11/5

テイルロード尾道

昨日夜の練習から一夜明けて朝、寝起きの身体に鞭を打ち、ソウイチロウ君宅より車を出す。小倉駅で全員集合して、そのまま高速道路へ。何度となく繰り返した、いつもの流れです。もはや出勤と言っても過言ではない。

出勤のルートはいつもの流れですが、車内の空気は少し違います。今回の行程はベース岡田くんに、新サポートのジェイくんを引き連れてのライブです。言っても新しい形態ってのはノンフィクションではなんら珍しい事ではなく、会話の内容なんかも誰と行っても大して変わりはないですが、会話のテンポやリズムなんかは明確に変わってきます。皆でなんとなく調節しながら、それでもゲラゲラ笑いながら、車は山陽道を切り刻む。

昼下がり、尾道に到着。広島だとタカを括っていたら想像よりひと回り遠く、予想外に消耗しながらの到着でした。初めましての町、尾道。本日は尾道BxBでのライブです。

ここ尾道BxBにも初めてやってきました。噂にはずっと聞いていましたが、なんとなくご縁がなく、今日のバンド13年目まで来られませんでした。扉を開ければ年季の入ったステージやフロアがあり、それらはそこら中から歴史が感じられて、なんとなく少し落ち着きます。控え室が隠れ家みたいになっていてテンションが上がっていたら、そこいら中に深居優治のステッカーが貼ってあり、しまった、ここも広島かと思い知らされました。とりあえず、隣に私のステッカーも貼っておきました。

 

リハーサルを終えたら、もう我慢できねぇと一同、尾道ラーメンを喰らいに町へ繰り出します。

細い路地を歩きながら、海の見える町並みを見ながら、そこら中に尾道ラーメンのお店があって、私は大層ビビる。たぶんあれ、全部うまいんでしょうな。すげぇ町だ。

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選ばれたのは「牛ちゃん」という場所の一杯でした。グッと濃い味付けに、派手な見た目のチャーシューは意外にガッシリした立ち振る舞いで、とても良い。 福山という、尾道の隣の地方出身の岡田くんのテンションが珍しく上がっていて、なんとなく嬉しい。

その後は、なんとなく温泉街みたいな様相の町を歩き、そこら中を徘徊する猫に嬌声を垂れ流し、そうこうしているうちに開演の時間になりました。そう、我々はライブをしに来てるのです。

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初めてのハコでライブ、というのは久しぶりでしたが、そりゃあ我々は結構やっているので、今更物怖じはしません。しかし本日は新サポート、ジェイくん形態のデビュー戦でありますので、いつもとは違う緊張感が出番前の控室に漂います。まぁ、言ってしまえば我々は、それすらもそこそこ慣れているのですが。

そして、ライブです。ジェイ君は初めての本番、最近のドラムは大体コージ君で、彼とはかなり違うタイプなので、違う箇所は多々あります。それでもステージに立てばやる事は何も変わりません。その時の状況を、その時の状態を、その時の音像に変えて、それをただ前方に叩きつけるだけです。ウンウンと唸る周波数の中、ただ今の存在を放出するだけ、ただそれだけです。

たくさん叫んで、ライブは終了しました。ジェイくんも悪くない出来栄えだったと思います。尾道BxB、ありがとうございましたぜ。

 

その後は打ち上げにて、色んな人と話す。今回、我々を呼んでくれたたくみくんが誕生日で派手に祝われていて、なんだか温かい気持ちになりました。彼は今回、「オススメされて、聞いてみて、格好良かったので」という、とてもシンプルな理由で我々を誘ってくれました。シンプルなだけに、お世辞とか縁とかそういうのが一切なく、その事が私はとても嬉しかったです。バンドっていうのは、そういうのでいいんですよ。曲聴いて格好良かったから見たい、なんて、バンド冥利に尽きるってもんです。

明日もあるので、打ち上げを程々で切り上げて、尾道を発つ。行き同様、ひと回り長い距離にあくせくしながら車は行く。運転のソウイチロウ君と談笑しながら、明日の福岡のライブのことを考えていました。