ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

正しき悪趣味

 

 

 

 

2022/4/26

正しき悪趣味

f:id:iijitakahiro:20220426203313p:image

見てくださいこのタイトル。阿呆すぎて笑えてきます。しかしそれが、たまらない。好き。

これを撮っている白石監督という人物、この人の作品が私は好きでしてね。胡散臭さと馬鹿馬鹿しさは見ての通り抜群なのですが、どの作品にも何故か芯に触れるような生々しいリアリティがありまして、こちらの肝をいつも冷やしてくれます。極寒みたいなホラーではなく、妙に冷える夏の夜みたいな、湿度の高い冷たさがあります。

何度も言ってますが、私はホラーが好きです。大抵のモノが低予算ながら、人を驚かせる仕掛けがいくつも施してあります。もちろんその中にはしょうもない仕掛けもあるのですが、しっかりハマった仕掛けがある時、それだけでもう、心臓に触れられたような感覚になります。普通の映画なら伏線が回収された瞬間のあの感覚、それが前置きナシで訪れたりします。

もちろん全部作り物だってのはわかってますよ。化け物が本当に映ったなんて思っちゃいません。だから結局、手品みたいなもんですよ。種も仕掛けもあるなんてのは皆わかってますが、それでも手品は驚くし、面白いです。誰も彼が本当に魔術師なんて思ってませんが、そう思って騙されに行くのが面白いもんです。

言ってしまえば、はるか昔から怪談が語り継がれているように、恐怖談なんてのは人間の本能が求めるモノなのです。百物語なんて文化もありますしね。嫌だ嫌だと言いながら怖さを求める、その辺は江戸も令和も変わらんもんです。

まぁもちろん、それを好んで夢中になるような人間は、昔から珍妙でしたでしょうがね。まぁ良いのです。私が楽しい、それがすべて。悪趣味を正当化する気なんてありませんよ。世間がどうであれ、私の脳内は不可侵です。私が正しいと思うものはすべて正しい。それがすべてです。