ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

クモルヤ

 

 

 

 

2022/6/10

クモルヤ

昼下がり、どんよりとした曇りの中でペダルを漕ぎ、所用があって区役所へ行っていました。

私も一応、形式上は親の扶養を外れた社会人なので、役所へはちょくちょく来ます。しかし大抵は、私のやらかした何かしらの不義理や不履行に許しを乞うために訪れるので、良い思い出は割とないです。

今日はそこまで不義理ではなかったのですが、それでもやはり緊張するというか、敵地に入り込んだ時のような気分になります。別に敵ではないのはわかっていて、むしろ役所は味方なのに私が敵視してるから触る事ができない、みたいな形になっています。なんて奴なんだ、私。

待ち時間、窓口を見てみれば、結婚、就学、といった文字が目に入ります。そうですよな、もうそういう手続きをしに来てもおかしくない年齢であります。先日バイトの面接に書類で落とされた私は、年金、保険料みたいな文字も合わせて、必死で見て見ぬふりをしておりました。あぁ見たくない、見たくない。

手続きひとつで50分ほどの所用が終わり、やっと外に出た時、空はさらに曇り散らかしておりました。役所の用事って、無駄に疲れるのですよな。この空は私の心象風景のようだ。雨が降らないだけまだマシかもしれません。これから帰り道、公共料金の支払いもせねばならない。もういっそ降ってくれれば笑えるかもしれませんが、空はただ暗みを増すばかりで、雨の気配はありませんでした。