2022/10/2
作品と私と
映画を見ていました。「笑の大学」、2004年の映画です。いわゆる、三谷幸喜のヤツです。
正確には元々舞台で、この映画は脚本だけ借りて監督は違うようです。よく知らんですが。
三谷幸喜のコメディ、いわゆるシチュエーションコメディなんて言われるものは、物語の構造から手が込んでいるものが多くて、とても好きです。この映画は十年ほど前に一度観ていたので、今回観たのは2回目でしたが、前には気が付かなかった事、テーマ性であるとか寓話性みたいなものにたくさん気がつきまして感心しました。この作品が凄いのはもちろん、私も前より物語がよく見れるようになっている気がします。喜ばしい事です。
良い作品ってのはね、想像次第で、無限のテキストがあるもんです。書いてある文章だけでなく、行間まで含めればマジで無限です。そこから何を、文字通り「読み取る」かっていうのはこちらの心持ち次第になるのです。
しかも作品っていうのは、どれだけの年月を経ても少しも変わりません。これがまた面白いところです。私の方は変わっていくのに、作品は変わらない。だから読み取れる文章の変化を、十年前と今で私がどう変わったのかをわかりやすく受け取ることができます。これが中々面白いもんです。昔は好きじゃなかったキャラクターや展開が、歳を重ねるとふっと自然に受け入れられたります。改めて若いうち、もっと作品を摂取しておけばよかったですな。少しだけ後悔しています。
また十年後か、二十年後か、この映画を観ると時は来るのでしょうか。その時に私はどう思うのでしょうか。わからんですが、悪いモノではないことは確かでしょうて。楽しみにしておきます。この楽しみ、増やすためには、今のうちにもっとたくさん作品を摂取せねばならんですな。まだ遅くはないはず。頑張ります。