ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

こちら早良区自宅内炬燵所

2023/1/25

引き続き、寒くて何もできやしません。コタツの中で、生きてるか死んでるかわからんくらいの生物が、ゆっくりとのたうち回っています。今週末は遠征なので、今日寒い部屋で無理をして体調を崩してはいけないというのがもう、最高の言い訳なのです。

インターネットを通じてみると、こち亀の一部が無料開放されていました。1話だけ見るつもりが、気がつけば次々に吸い込まれていきました。こち亀の吸引力が凄い。毎話、別に死ぬほど面白いわけではないのですが、それこそ昼に食べた町中華のごとく、過度なクオリティを度外視された「良さ」が確かにあるのです。

両さんとは小学生の頃からの付き合いでしたが、時が経って彼と歳が近くなってくると、また見え方が変わってきます。彼が毎度毎度、あんなに豪快にお金を使えるってのは凄まじい才能です。仮に私が1億円もらったとしても、たぶん1ヶ月で1000万も使えないんじゃないでしょうか。金を稼ぐ事も才能ですが、使う事もまた才能なのです。

あと、両さんの周りの面々、特に中川なんかが顕著ですが、いつも両さんに迷惑をかけられながら困った顔をしているのに、何故付き合いを辞めないのか。何故翌週になったら笑って無茶に付き合うのか、子供の頃は疑問でしたが、それも大人になるとわかりました。ああやって両さんに振り回されるのもまた、当事者からすると楽しいのでしょうな。今ならわかります。無茶苦茶な人間に振り回される時、人は楽しいんです。予測のできない、圧倒的な行動力やパワーに巻き込まれるのは、自分一人では中々できない経験でもあります。迷惑や損害を被ったりして、その時は困った顔をするかもしれませんが、後から見ればすべては良い思い出になるのです。

それに、両さんは感情豊かで良いですね。驚くことは本気で驚いて、感心すべきところは感心する。駄目だと思ったら正直に駄目だと言う。こういう人には、人は何かを話したくなるのです。相手の話を遮らずにきっちり聞く、意外と聞き上手でもあります。頭の悪さを誇張されてはいますが、どちらかと言えば倫理や学力の問題で、その実は結構、機智と機転に富んだ人間でもあります。実に面白い人間で、話していたら楽しいでしょうな。

漫画の中ではそのうちに調子に乗り、失敗するというが定番で、子供の頃はゲラゲラ笑っていました。登場人物がみな彼のことを悪く言うから、楽しいけど良くない人間だと思っていました。もちろん実際に良くない面も沢山あるのですが、彼のあの姿が時折無性に輝いて見え、すごく羨ましくなる時があります。あのエネルギーや行動力、失敗を恐れない心なんかは、もう少し学んでおくべきだったかもしれません。賢くなってしまうのも考えものですな。ひょっとしたら、私の方が愚かなのかもしれませんが。