ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

もっと本を読まねば

2023/3/22

そういえば、先日1冊、本を読み終えました。

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伊坂幸太郎「砂漠」です。過去に1度読んだ事がありますが、やはり面白かったです。「西嶋」というキャラクターがね、とても良いのですよ。頑固で思想家でどこかズレていて、本気で世界の平和を願っているから、麻雀では「平和」という役を上がることに必死になっている、という面白い人間です。外見は野暮ったくやや太り気味で、こういう人間を美形に描かないのが、やはり伊坂の良いところなんですよな。

私の大学時代に読んでいた大学生たちの話を、30過ぎた私が読むのは中々に面白いモノがありました。当時は何も思わなかった文章が響いたり、逆に当時響いた文章が響かなかったり、いくつも発見があったりします。再読ってのは良いもんです。よほど気に入った本じゃないとしないですがね。

時代と共に、年月の果てに、私も私の考えも変わってしまいますが、作品ってのは少しも変わらないのですよな。思想を交わすってのは友人ともやる事なんですが、友人も私同様変化してしまいますからね。もちろん友人が悪い訳ではないのですが、作品の持つ絶対性にはどう足掻いても勝てんのです。

新しい本も読まなきゃいかんですし、再読は再読でまた価値のあるものです。何にせよ、本をもっと読まねばならんです。私の蔵の積み本が、無くなる日は果たして来るのでしょうか。1冊読んだら5冊くらい買っちまいますからな。

一心不乱、読まねばならんです。