ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

尺の解釈

2023/5/18

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先日から読み始めました、京極夏彦鉄鼠の檻」。1200ページを越える大作ですが、彫刻を削るように、少しずつ少しずつ読み進めています。今日で350ページほど読みました。薄い文庫本なら2冊読み終わっても良い枚数ですが、これでやっと事件が動き出したくらいのペース、もののけ姫で言うならアシタカが村を出たくらいの状況です。しかし嫌気が刺すような事はなく、楽しく興味深く読めているのは流石です。ところで何でもののけ姫で言ったんでしょうね。

基本的に、エンタメ作品は短い方が良いと思っています。本でも映画でも、音楽でもです。しかし尺を取らなければ出ない味があるのも間違いはありません。クオリティが同じなら、短い方が優秀である、くらいの感覚に私の中では落ち着いています。

というか単純に私が、長いものが苦手なのです。3時間の映画とか、8分くらいの曲とか、15曲入りのアルバムとか、無限の例外があるとはいえ、基本的にはとても苦手です。飽き性と言うよりも、好きでない作品なら長時間は苦痛ですし、好きな作品なら耽溺しすぎて疲れてしまうのです。ひょっとしたらそういうのを飽き性と呼ぶのかもしれませんが。

かと言って、昨今言われている「映画を倍速で観る」とか「ネタバレを観て済ます」みたいな愚行は絶対にしません。アレって本当にやってるやついるんですか?恐ろしい都市伝説だと思いたいのですが、どうなんでしょうな。「タイパ」でしたっけか、ふざけやがって。この言葉を使う人間が、大した時間の使い方をしてるとはとても思えませんが。

作品は作品、しっかりと味わいます。その上で好き嫌い、合う合わないはあります。その辺はもう当人たちが辿ってきた歴史の相違みたいなもんなのでしょうがないです。しかし「好きだけど自分に合わない」「嫌いだけど自分に合う」みたいなモノもあるので、中々難しいものです。

私は本来長いモノは苦手ですが、本というのは好きなタイミングで開閉できる特徴があるので、この本もまぁ何とか進められています。それにしたって読み終えるのはいつになるやら。夏までには読み終えたいですな。