ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

享楽の刑

2023/5/26

夕暮れ時、疲れた身体を横にして、欲求と懇談会を行なっていました。まず少し眠い、しかしギターの練習もせねばならん、本を読みたい、勉強もしなくては、そういえば借りてきたDVDをまだ見ていない、色々考えていると、やはり眠い。懇談は混迷を極め、結局は何もせず、せめてブログを書き始めました。

世の中には、ちょっと楽しいことが多すぎます。人の作りしエンターテイメントが溢れていますし、エンターテイメントを自分で作るのはもっと楽しい。すでに解明されている理を勉強するのも楽しいです。何処ぞ観光に行くのももちろんですが、その辺の景色をボーッと眺めているのも良いです。そこを猫が通ったり、鳥が地面をつついたり、よく見ると地面には蟻が列を作っていたり。美味しいものは強制的に人を幸せにしますし、美味しいものを自らの手で作り出すのも楽しいものです。際限なく、澱みなく、この世は享楽に溢れています。

人間ってのは強欲ですから、そうなったら全部が欲しいと思ってしまいます。しかし全部は得られない。私一人が知るスピードより、人類全体が発展するスピードの方が速いので、絶対的に追いつける事はないです。圧倒的に時間が足りない。

そうなれば必要なのは選ぶことなのですが、これがまた大変なのです。なにせこっちは全部欲しいのですから。無限にメニューのあるレストラン。死ぬまで食べられないメニューも数多くあります。可能性を天秤に掛け、日々断腸の思いで選択を繰り返しています。候補を重ねに重ねた結果、奥底の方に私が真に求めるモノがあってもおかしくはないのです。そうなれば耐えられません。

苦しいですね。平和が苦しい。自由が苦しい。享楽が苦しいです。それでも選択ができる我々は、日々何かを楽しみながら、何かを失わなければなりません。酷い話ですな。凄まじく贅沢な悩みなんですが、贅沢でも質素でも悩みは悩みです。飽食で生まれた現代病だって人を殺すのですから。