ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

ペーパートリップ

2023/6/5

昨日、深夜の練習が想像を越えて押し、住まいに戻った時は空が白んでいました。そこから3時間ほどの睡眠で仕事に向かい、終わり次第重力のあるがままに眠っていました。やはり昨日は動き過ぎました。しかしきちんと楽しかったので、悔いはないです。

目を覚ますと夕方でした。毎度思うのですが、寝る前より起きた後の方が疲れているのは何とかして欲しいです。目は覚ませど起き上がりはできず、寝ていないだけの時間が流れているうちに、外はどんどん赤みを増していきます。

机の上には昨日、筥崎古本市で買った本が積まれていました。古本市、良かったですなぁ。とても穏やかで、賑やかなのですがどこか静かさもあり、深みのあるお祭りでした。

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当たり前ですが、どこの店にも本が並んでいました。当たり前ですがすべて古本です。普段行く古本屋にはないラインナップや並び方をしていて、見ているだけで面白いです。

何処ぞの古本屋が出店しているものもありましたが、明らかに個人で出店している店もあります。きっと自宅にあった古本を持ってきたのでしょう。という事は並んでいる本は、恐らくは店主さんが買ったものです。ある意味ではその人の本棚であり、何も話さずとも、何となくその人の人となりが見えて、とても面白かったです。

買う人も売る人も、そこそこな人がいました。なんだ、みんな結構、本好きなんじゃないですが。昨今、人が本を読まなくなってるとか、電子書籍が好調であるとかいうニュースを聞きますので、こういう風景を見ると少し安心します。やはり私は、私も、紙の本が好きです。電子書籍が嫌いなわけではないのですが、好きな本はやはり紙で欲しいですね。ちゃんと自分のモノにしたいですし、自分のテリトリーにそのモノがあるという、その事実だけで少しだけ人生が満たされます。電子書籍は、なんというか「借り物」みたいな気がするのですよな。図書館で借りた本のような。そんな感じ。

当然、古本市に電子書籍はなく、ただただ紙の本が並んでいました。紙の本には歴史があります。昨日私が本を買ったことにより、その人の家から私の家に移ってきたことになります。状態の古い本もあるので、そもそも古本で買われたモノかもしれません。誰かから誰かへ本は移りませんが、しかし中の文章は岩のように変わりません。私がいずれ売るかもしれませんし、売らずとも私の死後、また何処かへ流れていくかもしれません。そういう歴史に想像を馳せるのも、また紙の魅力なのです。

結局5冊ほど買いました。部屋の中に積まれた塔が、また少し高さを増した事になります。あぁ、読まなければ。しかし今は流石に眠たい、また後日読むとしましょう。死ぬまでには読まなければ、前の持ち主にも申し訳が立ちません。まぁ、ひょっとしたら前の持ち主も読んでいなかったかもしれませんが。それはそれ。