ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

近隣と深淵と

2023/10/18

久々に、近隣を徘徊していました。

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風は涼しいのですが陽はまだ少し暑く、長袖のTシャツと厚手のパーカーの内側に熱を籠らせながら、それでも秋の空気を感じていました。暑すぎる、寒すぎるってのも一興ではあるのですが、やはり過ごしやすいのは秋や春ですな。情景の摂取や思索が捗るってもんです。近隣の野良猫ポイントを巡回しながら、町内に鼻歌をバラ撒いていました。

最近はまた、頭の中で生きていてしまっていたのです。現実なのに現実感を失っていました。忙しさと、それに伴った電子画面を見る時間の増加で、外に出ても何となく風景が嘘っぽく見える時があります。別に死にはしないのですが、あまり健康には良くないですな。

しばらく、そうやって文字通り地に足をつけていれば、アスファルトが私の脚を押し返すのを感じます。絶景を見に行かずとも、例えそこら辺の河原であっても、よく見れば世界の配色ってのは結構美しいもんです。呼吸をすれば金木犀の香りがします。それが循環すれば肺の稼働を感じますし、一息吐けば心臓の駆動を確認できます。

そんなもん確認せずとも当たり前のことで、別に感じずとも生きてる限り生きていて、世の中の基礎みたいなもんなんですが、基礎ってのはどんな分野でも大事なもんです。それを実感する事できちんと自分の存在を確認できます。生のメカニズムを感じます。地球がきちんと回って、鳥は飛んでいて、蜂は花粉を運んで、自転車で行き交う見知らぬ人にも人生があって、そういう基礎を確認できるからこそ、私の存在も同時に確認できるのです。

別にそんな小賢しい事を考えながら歩いているわけではないのですが、散歩をしながら感じているのはそういうものです。そういうのが好きなんですね。趣味みたいなもんです。野良猫に声をかけながら、昔友人が住んでいた建物を見たりしながら、そういうことを感じていました。

 

夜は友人のライブを観に行っていました。ゆったりとしながら激しいサウンドで、海の中みたいな空間でしたね。どいつもこいつも個性派な面々で、彼彼女らも多分、日々似たようなことを感じているんじゃないかと思いました。

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