ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

マイ ライジング

2023/10/30

朝、ここはどこだと目が覚めたら、広島県福山市の駐車場でした。まぁ普通に考えれば意味のわからん状況ですが、ツアー中ってのは大体、意味のわからん状況なもんです。隣に転がるソウイチロウ君型の布の塊を横目に、コンビニに行くなどして朝の支度を整えていました。

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じきにソウイチロウ君も目覚め、サポート2人とも合流。ソウイチロウ君が買ってきたおにぎりを何故か私が食べてしまったトラブルもありつつ、車は無事に発進し近隣の銭湯へ。本日の入り時間までの、微妙な時間の調節を行なっていました。

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ここは銭湯、靴箱のナンバーは当然112、イイジです。

旅先、車中泊明けの銭湯ってのは格別です。涙が出そうになります。鍋に煮らるるルゥのように溶け込みたい気持ちになりますが、あまり長い時間入るのもよくありません。本日もライブなので、リラックスのしすぎは鋭気を削ぎ落としてしまいます。ちょっとピリッとしてるくらいが、良いライブができるってもんです。これも何度も失敗してきました。

そこそこで切り上げて、ロビーの椅子にてしばらく感情を放逐。それでもまだ時間は余っていたので、お土産を買いに近隣のもみじ饅頭のお店へ行きました。中ではもみじ饅頭の販売だけでなく製作もしており、なんと「出来立てをいかがですか?」とおひとつ貰ってしまいました。出来立てのもみじ饅頭、食べた事あります?外がカリカリなんです。餡子がほかほかなんです。私は天を仰ぎながら食べていました。美味すぎます。

もみじ饅頭の「にしき堂」さんです。ダイレクトマーケティングしときます。最高でした。ご馳走様です。

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ぼちぼちの時間で車は発進。再び山陽道から、本日の会場たる山口、周南ライズを目指します。疲れが残っているのか、話題を昨日語り尽くしてしまったのか、車内は比較的静かでした。意気揚々とはしていませんが、結構こういう日に限って、良いライブってのはできるもんです。

そうこうしているうちに周南ライズへ到着。ここに来るのももう何度目なんでしょうかね。この辺の近所の猫とも、そろそろ顔見知りかもしれません。それはないか。

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搬入とリハを終え、昨日食べられなかった食事へ。贔屓にしている汁なし坦々麺の店が定休だったので、失意のまま近所のラーメン屋へ。しかしここで食べた味噌ラーメンは中々、安心できる味でした。豚骨原理主義の私は味噌ラーメンなんて滅多に食べませんが、たまに食べると良いものですね。温かいものが美味しい季節になりました。

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顔合わせを終えたら間もなくオープン。コンビニでコーヒーを飲んで気合いを入れます。昨日のような頭痛もなく、準備は万端です。ここまでくると、むしろ昨日の頭痛ってなんだったのでしょうか。ライブしたら直ったなんて、逆に少し怖くなります。まぁ恐れたところでどうにもできないのですが。

じきに開演。すぐに我々の出番となります。前段の大阪、ステアーズの圧倒的な陽の情動。凄まじいまでにストレートのライブをされているので、転換のステージ上にもまだその残滓が残っていました。日陰者たる我々なんかは照らされ過ぎて消滅する恐れがありましたが、我々かてもう14年やってますのでね、負ける訳にはいかんのですよ。SEが鳴ったらステージへ、合図と共に演奏を始めました。

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本日は周南ライズの16周年のお祝いです。何度も何度も祝いながら、何度も何度も叫んでいました。全身のO2を、血中からも絞り出すように叫んでいました。こういう場所がなければ、こんなに人生を懸けて叫べる場所なんてありゃしません。町中でやれば頭のおかしい奴ですが、ステージでやれば普通の行為です。そりゃ気持ちよくて、何度も叫んでしまいますぜ。

周南ライズ、16周年おめでとうございます。また叫びにきます。叫ばせて下さい。

 

出番終わり、ciboに歴史と情念を見せつけられて、1日は終了しました。打ち上げも終えたら、挨拶も済ませて車は2号線を辿ります。遠征2日間が無事終了し、今回の所感を話し合っていると見せかけて、車内は下らない会話で盛り上がっていました。しかも下の方に下らない話だったので救いはまぁありません。しかし私が眠ろうと目を閉じた瞬間、昨日と今日のライブ内容について3人は語り始めました。ひょっとして私のこと嫌いか?

様々な情念がありましたが、それでも疲れからかゆっくりとした会話のまま、車は2号線から199号線に辿り着き、今回の旅の終わりをなぞるのでした。

ありがとう、ございましたぜ。