ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

スタンダードグッドソング

2023/11/25

アンプに繋いでいないエレキギターを、そこら辺に転がっている削れたピックでジャッカジャッカ弾きながら、新しい曲を模索していました。手癖と奇癖を交えてフレットを舐めまわしたら、過去好きだった曲なんかも聞き返したりして、しかし中々に難航しています。

新しい曲を考えるのには自信があります。控えているアイデアも限りなくあります。しかしそれはあくまで主役や準主役、ハイライトやクライマックスシーンの曲がやはり多く、それぞれの繋ぎとなる曲となるとグンと数を減らします。わかりやすく格好良い曲は良いのですよ、しかしそういう曲で埋まっているアルバムを私は良しとしないので、繋ぎの曲がどうしても必要になります。前後のハイライトやクライマックスを高めつつ、お客さんをより深く世界へと誘うという役割の曲です。それが中々、難しい。

アクション映画はアクションシーンだけで作られてはいません。サスペンスはまず日常があってこそです。全編埋め尽くしてしまうとやる方も見る方も疲れてしまいます。もちろんそういうヤツもあるのですが、ある程度のメリハリのセオリーは大事にしたいと思っています。「ランボー」なんかはやはりランボーのアクションがメインですが、クライマックスシーンはアクションではなく大佐との会話なんですよな。それがまた良いのです。

こういう時に活きてくるのが「普通の良い曲」なのですが、私はそれを作るのが苦手なんですよな。どうしても変な事をしたり、激しくなったりしてしまいます。良い曲作りてぇですな、良い曲。弦を何本引き千切っても、ピックを何枚削りきっても、一向に普通は生まれてきません。普通に良い曲、普通に良い曲。しかしながら「普通」も「良い曲」も、一体なんなのでしょうかね。