ヒズミ回想

とあるバンドマンの、変哲も平坦もない日常。

本との話

2023/12/12

外は雨なのか止んでるのか知らん中、湿度の高い部屋に寝転び、米澤穂信「黒牢城」を読了していました。

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「戦国時代の本格ミステリ」とかいうイかれた発想の本です。同氏は昔にも「中世ヨーロッパファンタジー本格ミステリ」を書いていましたな。そういう面白い発想は大好きです。時代ものはそんなに読まないのですが、読みたいとは思っていたので、こういう取っ掛かりはありがたいですな。とても面白かったです。

米澤穂信は基本的にミステリーのエンタメなのですが、ミステリ要素もエンタメ要素も、きちんと「物語」を立てるために使っているので、私は好きです。主役はあくまで人間ドラマ。エンタメだけだと軽くなり、ドラマ重視だと重すぎる。その辺のバランスがとても良いのですよ。最後まで面白く牽引されながら、しっかりと心に残留する物語を書いてくれます。

最初に世に出た「氷菓」はほぼラノベみたいなもんだったのに、今や時代もので本屋さん大賞です。高校時代に読んでいた私は、こうなるとは思っていませんでした。今に至るまでずっと作品を読んできて、私の心にはいくつもいくつも、イヤぁな傷が残っています。もうずっとファンです。

なんだかんだ、好きな作家ってのは中学、高校の頃に読んでいた作家で固まっています。ちょいちょい増える事はありますが、新刊まで全部チェックしているのは大体その頃好きになった作家さんです。私の読む量なんて平均よりちょい上くらいのもんですが、それでも結構な量は読んできたと思います。あの頃、たくさん読んでいて良かったと心から思います。

 

私は結構、読書家なイメージを持たれているかもしれませんが、実際はそうでもないです。もちろん本は読むし買うのですが、日々目を剥いてむしゃぶりついているわけではないです。実際は本だけでなく、映画もアニメも漫画もゲームも好きなので、本だけに使える時間は限られてしまっているのです。

しかし、やはり本は良いですね。「ハマった」時のあの心地良さは唯一無二です。言語野的な話でも、私はもっと読むべきなのですよな。読まなければ、読みます。